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33 知りたくなかった真実

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『『『『………………』』』』

誰も何も言えなかった。しんと静まり返っていた。次に続くであろう話が恐ろしくて仕方なかった。
だが、そこへ更に主神様が重々しく告げる…

〖だが…だが、とうとうヤツはそれにも飽きたんだ〗
やっと絞り出したような声…
出来るなら言葉にしたくないと言う思いがひしひしと伝わる。

ビクッと体を震わせて皆が神を見つめる。
続く言葉を皆が想像し、それが間違いであって欲しいと願う。
だが、主神様は淡々と語る。まるでそうするしかないというように…

〖これまでの遊びに飽きたヤツは考えた。今まではこちらに呼び込むだけだったが、逆にこちらの世界のものを、あちらの世界に送ったらどうなるか?と…〗

あぁっ…やはり。サーヤは自分が黒髪、黒目だったと言っていた…

〖だが、ただこの世界のものを普通に送っただけではつまらない。特別なものでなければ面白くない〗

あぁ やめてくれ…
聞きたくない⋯!

〖その最悪のタイミングで見つかってしまったんだ。我々が待ち望んでいた存在。大切な…愛し子が〗

あぁ、サーヤ!

〖そして、気づいた時には愛し子はヤツに拐われ、異世界に送られていた。ヤツは我々がどれだけ愛し子の誕生を待ち望んでいたか知っていた。だからこそ、選ばれてしまったんだ。我々が苦しみもがく姿を見て楽しむために。我々は必死に探した。だが、探しても探しても愛し子を見つけられなかった〗
感情を出さないように強く握られた拳は、自らの爪により血が滲んでいた。

皆、そんな主神様の言葉を震えながら聞いていた。

〖ヤツは我々がどんなに必死に探そうとも、絶対に愛し子が見つからないように、幾重にも幾重にも、執拗に罠が仕掛けていた〗
近づいたと思う度、裏切られる日々⋯

神々の苦悩や、辛さが伝わってくる

〖それでも諦めず探す我々を、ヤツは嘲笑っていた。時には【まだ見つからないのか?気の毒に】などと、態々笑いに来ていた〗
どれだけ、自分たちの無力さを嘆き、怒りを覚えたか⋯

神々が、サーヤが、どれだけ辛かったか⋯!
ヤツに対する悔しさや、怒りが、話を聞いているもの達にも生まれてくる

〖それでも、十年…、十年だ。十年掛けて私は、我々は、やっと愛し子を見つけ出した。だが、それはやっと探し当てた愛し子が、命を落とした時だった⋯〗
主神様の目から涙が一筋、こぼれ落ちた。

サーヤ…

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