24 森の主様
今、愛し子って言った?
びっくりしてみんなで白いおっきなわんちゃんを見ます。
『試すようなことをして申し訳ない。この森を護るものとして、あなた方を迎え入れても大丈夫なのか見極めねばなりませんでした』
白いわんちゃんは頭を下げて謝ってます。なんで頭下げるの?呆然としているとフゥが
『森の主様、頭をあげてください』
と、白いわんちゃんに言ってます。
『しかし…』
それでも白いわんちゃんは頭を上げてくれません。
どうしよう?と、フゥとクゥを見ると二人は何となく試されてたの気づいていたみたいでした。
『いいえ。空から得体の知れないものが降りてきたのですから、警戒するのはむしろ当然のことです。どうかお気になさらないでください』
『そうです。私たちは追い返されても仕方ないと思っていました。受け入れていただいて感謝しているのはこちらです。どうか頭を上げてください』
フゥとクゥが白いわんちゃんに気にしないでとお願いします。
『ありがとう。そう言っていただけるとありがたい。実は先日、夢の中で神様より信託をいただいていたのです』
白いわんちゃんはようやく頭を上げて話してくれました。
ん?神託?あれ?神様?女神様じゃなくて?あれぇ?
「ちろいおっきにゃわんちゃん。おちょこのかみしゃま?めがみしゃまじゃにゃい?」
分からないことは聞いてみよう。
『わんちゃん…。はい。男の神様でしたよ。愛し子様』
間違いありません。って、にっこりして教えてくれました。でも、最初ちょっと不思議なお顔してたかな?
「しょうでしゅか。あいがちょうごじゃいましゅ」
あれぇ?男の神様?やっぱり女神様じゃないの?
『サーヤ…』
『わんちゃんて…』
ん?フゥ、クゥどうしたの?
ふたりも、お顔が変だよ?
『いえいえ。それで、その内容が今日、愛し子様がお伴の方とこちらにいらっしゃるから皆様を迎え入れるようにということだったのです』
ほえ~そうなんだぁ。
神様、ありがとうございます。
『やはりそうでしたか』
クゥがそう言うと
『おや。お気づきでしたか?』ふふ
白いわんちゃんは、少し笑いながら聞いてきました。
『そりゃあ、上から覗いたら皆さん揃ってましたから』
フゥが苦笑いしてます。私を見ながら。なによう。
ぴゅいぴゅい『たいへんだったもんね』
きゅいきゅい『すごいおかおだったもんね』
モモとスイまで。ぷー。
『ぷーじゃない。サーヤ、お前俺のあごに頭突きしただろ。忘れたとは言わせないぞ』
「うにゅっ?」
クゥに頭をガシッと掴まれました。あれ?さっきまでは優しくぽんぽんしてくれてたのに。お顔笑ってるのに、なんかピクピク?ちょっと怖いです。
「ふおおぉ」
白いわんちゃん助けて?と、もふもふたちの方を見ると、みんなバッと一斉に顔を背けてしまいました。
ガーン!
「しょ、しょんにゃ…」
なんで?ひどい…
ぴゅい『ひどくないよね~?』
きゅい『ひどくないよね~』
『サーヤ、あとで謝りましょうね。色々と』
「うにゅう⋯」
うりゅりゅ…
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