バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

第9話 魔王と勇者見習い(22)

 と同時に、麗しい魔王さまの雪のような顔色……。



 と、言っても、もう既に青白く移り変わっているのだが。更に彼女は、自身の顔色を青く染め始めながら自身の頭を振る。『知らない、知らない』と、一樹に対して言い訳……。



 そう、魔王さまは、自身の紅玉の瞳に涙を一杯溜めながら震え慄き、言い訳をするように、腰が立たないままの状態で後ずさりをする。

 そんな彼女の悲惨な様子を勇者見習いである一樹は冷たい瞳と無感情な表情で見詰めながら徐々に、魔王さまへと迫りくる。では、彼はもうなくて。

 自身の利き腕の掌にある大きな青白い玉を「うっ、わぁあああ~!」と、声を大にして叫びながら魔力を注入──。更に巨大化にして。

「魔王死ね」と、ポツリと囁いた。


「えっ?」

 魔王さまの口から驚嘆が漏れる。

 でも直ぐに?


「いや~ん、いや~。助けて~。助けて~。わらわを殺さないで勇者~。勇者が探している少女は~。わらわ、わらわ、なの~。だから助けて勇者~」と。

 勇者見習いである一樹へと命声……だけではない。



しおり