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15 残念女神様…

そうして二匹の赤ちゃんドラゴンさんは仲間になったとさ。めでたしめでたし。

『なんか、想像通りだなぁ』
『私の中の女神様像が…』
崩れてくわぁ…と、フゥとクゥが、少し悲しそうに空を見つめてます。お疲れですか?でもね?

「まだ ちゅぢゅき(続き)ありゅ(ある)
まだ、聞きたい?

『『あ、どうぞ』』
あっ、聞くんだね…


〖良かったわ。仲良くやれそうで。そうそう、後で名前つけてあげてね?これからは、その子たちは、あなたの家族になるのだから〗
「はい」
お名前!そうだよね!かわいいの考えなきゃ!

〖それからね、あなたの魂をすこ~し修復させてもらったんだけど、そのお陰で、体の方もすこ~し若返っちゃったの〗

てへっ!と舌を出して誤魔化す女神様…
若返る?若返るって、そもそもわたしまだ十…あれ?

〖あっ大丈夫よ!あなたもすぐに魔法を使えるようになるわ!生活に困らないように、その子たち以外にも信頼出来るいい仲間も見つけてあげるから!ねっ!ねっ?〗

女神様が必死に大丈夫アピールしてるけど、大丈夫なんだろうか?
〖大丈夫よ!?今か探すから、ね?〗
任せていいのか、だんだん不安になってきたんだけど…
なんて思いながら、
『『ぴゅきゅふ~』』すぴぴ
寝息を立てて寝始めてしまったドラゴン赤ちゃんたちを抱きしめ直します。

すると、急に静かになって、眉間に指を当て、何やら考えていた女神様が、急になにか言い出しました。

〖あっ!ほら見つけた!早く早く!〗
女神様がこっちこいこいっ!ってバタバタしてます。

「ふぇ?」
な、なになに?何をそんなに急に?よく分からないけど呼ばれたのでとにかく女神様の所へ行きます。

〖ほら早く早く!ああっ行っちゃうわ!頑張ってね!はい!いってらっしゃーい〗

どーん!!

「ふぉぉぉ!?」
どーん?突き落とされた?何するんですか!?

〖幸せになってね~〗

「ふにゃぁぁぁぁぁぁぁぁ~っ」
落ちながら見えた、のんきにニコニコと手を振る女神様…
幸せになる前にどうにかなっちゃうよーっ!
さすがに怒っていいかな?と思った瞬間でした。


『いや、それ怒っていいだろ?というか怒れ!許す!』
『そうね。私もそう思うわ』
クゥとフゥがサーヤの分まで怒ってくれてます。ありがと。

でみょ(でも)、おかげで、ふぅちょ、くぅに、あえちゃ(会えた)
それは、感謝しないとね。女神様、ありがとう。

『ほんとよね~。たしかに、そこは感謝しなきゃいけないわね』
『そうだな。おれたちなら、信頼出来るって、選んでくれたって事だもんな』
そうだよね。

『それにしても、女神様って美しくて、優しくて、お淑やかで、神々しくて近づきがたい尊い方だと思ってたんだけど…』
フゥは怒るの通り越して呆れてるみたいです。

「うん。ふたちゅめ(二つ目)までは、あってりゅ(あってる)かにゃ(かな)?」
めちゃくちゃ美人さんでした。そしてボンッキュッボンの女の敵なナイスなバディをお持ちでした。
強いて言うなら

「『『残念女神様』』」
だよね(な)~
みんなで大きなため息をつきました。はぁー。

〖違うわ~〗って遠くから聞こえた気がしたけど気のせい、気のせい。
〖ひどいわ~〗
ひどくないです。きっと…うん。

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