12 過去の転移者たち
ただいまクゥの力でお空をスイーッと、移動中です。快適快適~♪
この緑の丸い膜はフゥが作った風の防護膜で、サーヤたちが落ちないように守ってくれてます。ぷにぷにで気持ちいいけど、ドラゴンちゃんたちとコロコロしても、大丈夫なくらい丈夫です!
「きゃはは~♪」
ころころ~ぽよんっ
『『ぴゅきゅ~♪』』
ころころ~ぽよんっ
「
『『ぴゅいきゅい~♪』』
コロコロ楽しいです!
『こら!だからってやりすぎはダメよ!』
「あい・・・」
『『ぴゅきゅ・・・』』
ごめんなさい。おこられちゃいました。
クゥの力は空というか、空間を操る力なんだって。
だからこういう移動とか探索?
「
『ん~、魔力であの辺に誰かいないかな?とか、何かいるかな?って探す感じかな?』
みたいなのが得意らしいです。
でも、まだまだ力が足りないから転移?
「
『ん~、遠いところに一瞬で移動したりする感じかな?』
お~。ドアを開けたらそこは…!みたいな?とか?
でも、クゥはまだ出来ないんだって。難しいね。
あれ?そういえば
「
分からないことは、聞いてみよう!
『ん?なぁに?』
『どうした?サーヤ』
「
なんで転生者なら魔力があるって分かったのかな?なんだか、二人とも自信たっぷりだったよね?
『ああ~』ぽりぽり
『それな~』ぽりぽり
ん?頬っぺたぽりぽり、困ったお顔?気のせいかな?
『ええとね?』
『どうしてかって言うと』
二人の説明によると、この世界に生きる者は、多かれ少なかれ、みんなある程度魔力を持っているんだって。
『それでね、サーヤは違う世界から来たんでしょう?』
『前にもいたんだよ。そういう奴らが』
なんと!私以外にも過去に転移者というのがいたんだね。
でも、なんか二人のお顔が
「ふぅ、くぅ、おかおへん。
二人顔見合せて、眉毛下がってます。立派な八の字です。気のせいじゃなかったみたいです。
『うーん。それがね~』
何だか言い辛そう?
『異世界から来たやつらは、だいたい魔力強いのが多いらしいんだよ』
『なんだっけ?「ぎふと」とか「ちーと」?だっけ?』
あー。ギフトにチート…それ間違いなく日本人だね~。
『そうそう。なんか「やったぜちーとだー」とか、訳の分からないこと叫んで、世の中を引っ掻き回してたとか…』
え?引っ掻き回す?
「え?
普通のお話なら、世界を救うよね?
『あ~確かに、「俺たちが世界を救ってやる」とか騒いでたらしいけど、そもそも倒さなきゃいけないような魔物とか、いない時代でね』
『結局、わがまま言いまくって暴れてただけ。って話しだよな?』
迷惑な話だよな~って、うんうんってしてます。
「え~?
意味ないよね?
『さあ?何のために来たのかしらね?』
『さあな?まあ、そういうわけで、その暴れっぷりから無駄に魔力が高かった。って言うのは有名な話なんだ』
『ついでに言うと、あんまりいいイメージはないわね~』
『そうだよな』
そ、それは、わたし転生者ってバレたらダメなやつ?なんて迷惑なことしてくれたんだ!
『そうね~。たしかに、バレない方がいいかも。でもね』
『サーヤの魔力は心地いいんだ。清らかで安心する』
『そうそう。だから大丈夫♪』
「うにゅう~」
大丈夫と言われても複雑な心境だ~。安心するって言ってもらえたのは嬉しいけど~
『それで、サーヤ。この子達の名前は?そもそも、どうしてこの子達と一緒にいるの?』
フゥが思い出したように双子のドラゴンのことを聞いてきました。
「ふにゅ?
『『ぴゅきゅ?』』こてん
双子ちゃんたちと頭こてんってして聞き返すと
『うん!』
『そりゃもちろん』
『『すっごく気になる』』
「ふおっ」
『『ぴゅきゅっ』』
二人して握りこぶし握って、すごい勢いで首を縦に降ってます。
え~?そんなに気になるのかぁ
お話し、してもいいけど
気が進まないんだけどなぁ~
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
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