6 契約は、友だちで家族!
『それじゃあ!さっそく、けいやくしよう!おまえ、いいやつだからな!おれたち、きにいったんだ!』
空の妖精さんが急に言い出しました。
「ふえ?けいやく??」
なんですか?それは?と、思っていたら
すぱこーん!
「ふおっ?」
わあっ!いい音!
じゃなくて、風の妖精さんが、空の妖精さんの頭を叩きました。ずいぶんと、いい音が響き渡ったけど、大丈夫?痛いよね?頭抱えて座り込んじゃったよ。
『まったく!さっきまで、まほうもしらなかったこなのよ?なのに、いきなり『けいやくしよう』とかいったって、わかるわけがないでしょうが!』
スパーン!
「ふおおっ」
また良い音が…空の妖精さん、寝ちゃったよ?ほどほどにね
「あにょ、けいやく?なんでしゅか?」
ふんっ!ってしてる風の妖精さんに、おそるおそる聞いてみると
『うーん。わかりやすくいうと、ずっーと、いっしょにいられるように、まほうのちからもかりて、おやくそくするってことかな?』
風の妖精さんが、わたしにもわかるように、優しい言葉で教えてくれました。ずっと一緒にいるお約束だって!
「ずっーちょ、いっちょ!うれちい!でも、けいやくしゅると、なにかありゅ?
ちがうのかな?
『ふふっ。そうね、ありがとう。もうおともだちよね。でもね?けいやくすると、みんなのまりょくが、つながるの。そうすれば、いまよりつよ~い!ちからがつかえるのよ』
『そうだぞ。もうともだちだけど、けいやくすれば、ともだちで、かぞくだ!もっとも〜っと、つよくなって、おまえたちをたすけてやれるぞ』むんっ
おや。空の妖精さん、復活したんですね。頭大丈夫?力こぶ作って見せてくれてます。あんまり出来てないけどね。
それより、今すごく大事なこと言われました!
「
それ、本当?
『ええ。ほんとよ』にこっ
『ああ。すごいだろ?』にかっ
本当だって!すごいすごい!
「
友達と家族が一度にできるなんて!すご~い!!嬉しい!
『わかったわ。よろこんでくれてうれしい!』
『じゃあ、なまえおしえてくれ!けいやくには、なまえがひつようなんだ』
妖精さんたちも嬉しいってにこにこです。良かった!
「わっかりまちた!わたちの
張り切って答えようとしたんだけど、おかしいな…
『どうしたの?』
『おまえのなまえだぞ?』
妖精さんたちがなんで答えないのか不思議そうです。でも、
心臓がバクバクする…
「わたちのにゃまえ…」
なんだっけ?
『どうしたの?だいじょうぶ?』
『おまえ、まっさおだぞ?きもちわるいのか?』
明らかにわたしの顔色が悪くなったみたいです。妖精さんたちも心配して顔を覗いてきます。
「
全然思い出せません。なんで?
『えっ?わからないの?』
『きおくがないのか?まったく?』
妖精さんたちがびっくりしてます。
考えなきゃ。全くじゃない。わたしはここではない地球の日本から来ました。でも自分のことになると何でかな?モヤモヤがかかったみたいになってるの。でも
「
うん。なんとく覚えてることもあるよ。良かったとも思うけど、それが尚更気持ち悪い気もします。
『そう、ぜんぶじゃないのね』
『おぼえてることもあるのか…それで?』
ちょっとほっとしたお顔の妖精さんたち
「でも、
なんでだろ?心臓がバクバクするよ。その時···
なでなで なでなで
「ふえ?」
妖精さんたちがほっぺたを優しく撫でてくれました。
不思議…ちょっとバクバク小さくなったよ。
『そう・・・じぶんのことだけが』
『もやもやしてるんだな?』
うん。こくりと頷きます。
『むりしないで』
『そうだぞ。なまえないなら、おれたちと、いっしょにかんがえよう?』
簡単なことだろ?って妖精さんたちが優しく笑ってくれます。
「いっちょに?」
一緒に考えてくれるの?
『そうよ。かわいいなまえ!かんがえましょ?』にこにこ
『おぼえてることのなかに、なまえになりそうな、いいもん、あるか?』わくわく
にこにこして楽しそうにしてくれてます。
名前になりそうな、いいもの?
『そうね。なにか「いいおもいで 」と
かあるなら、そこからつけたら、いつかなにか、おもいだすかもしれないわ』
『なにか「すきだったもの」でもいいんじゃないか?』
妖精さんたち、なんでもいいよ!って、すごくキラキラ期待してるお目目です!
いい思い出…好きだったもの…?
目をつぶって、なんとか思い出そうとすると、だんだん・・・
あぁ、ふんわり頭を優しく撫でてくれる人がいたんだ。あれは、おばあちゃんかな?
目を開いて、妖精さんたちに伝えます。
「
『うん』
『そうか』
妖精さんたちふんわり笑ってなでなでしてくれます。
「たぶゅん、おばあちゃん。
おばあちゃん、記憶の中で言ってた
〖ほんとはね、おばあちゃん孫が出来たら○○に「清」って漢字をつかって「さやか」ってつけたかったんだよ。でも○○はのんびり屋さんでふわふわしてるから「和(のどか)」でも良かったかもねぇ〗って。
「
おばあちゃん、優しくて大好きだったの。
『そう。しあわせのきおくなのね?』にこっ
「あい!」
そうだね。幸せの記憶だね。
うんっ!って思い切り頷きます
『じゃあ、そこからかんがえようか!』にかっ
「あい!」
妖精さんたちが賛成してくれたの嬉しくて、元気にお返事したら、またなでなでされました。
えへへ
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
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