2 小さな小さな美少女と美少年に声をかけられました
「ふにゅうううっ」
皆さん、いきなりですが、質問です。
なんの心構えもなく、とんでもなく高いところから、
〖いってらっしゃ~い 〗どーんっ!
と、突き落とされたら、あなたならどう思いますか?
一、なんでよ~
二、おちつけ~
三、どうしよ~
正解は~?…全部!
わたしは、さっきから
「なんでよ~」
「おちつけ~」
「どうしよう~」
「なんでよ~」以下同文
を、ひたすら繰り返しています。
そして今は…ものすごくテンパってます。
「ふわわわわっ」
どどど、どうしよう…
と、とにかく落ち着こう。
えーとえーと、そうだ!
とりあえず深呼吸、深呼吸しよう。
「すーはーすーはー」
…うん、息は吸えるね。
それはさっきも確かめた。かな?
でも、確認は何度だって大事だよね?
「
・・・一人で会話するの悲しいな。
それでもって、今は空から落ちてるまっ最中。
しかもすごい速さで~っ!
「ふにぃ~~っ」
こわいよ~
それでも気を失わないでいられるってことは、体はけっこう頑丈なのかな?幼児なのに…
あとは、怖いけど、怖いけどぉ!下、確かめなきゃ!
「ふううう~っ」
イヤー!どうしよう~っ!
でもでも、怖がってなんかいられないよ。
この子達もいるんだから、確かめなきゃ。
手の中にはスヤスヤ眠るドラゴンの双子ちゃん。
あぁ、でも怖いよ~。 でもでも勇気を出すんだ!
うわ~んっ頑張れ!わたし!
「しぇーのっ!」えい!!
ヒュオーォォォ…
「ふぎゃーっ」
いや~っ 怖い~!死ぬ~!
確認終わり!ぜーぜー
「ふうふう···」
……う、うん。まだまだ大丈夫?
地面はまだ遠い…っていうか、見えない。
でもでも、どうしよう…
このままじゃ、うわあぁぁ。
いくら頑丈でも、このまま地面に当たったら死ぬ。
死ぬったら死ぬ。
つーっと、イヤな汗が伝います。
……やっぱり
「
うぅぅー
「めがみしゃまのぉ、おばかぁーーー!!!」
うわぁーん!
『ねぇねぇ』
『おーい』
「あんぽんたんー!」
どうしたらいいのーっ
『ねえったら』
『なにしてんだ?』
「あほー!」
だれか教えてくださーいっ
『ねえっ!てば!』
『おーいっ!!』
え?
なんか声がした?
『ふぅ~』
『やぁっと、きづいたか?』
まさかぁ~。だってここ空の上だよ。
そうだきっと気のせいだよね。
では、もういっかい。
「めがみしゃまのぉ、おばかーぁぁぁ」
『あ~ん』
『もう!』
『だからぁ』
『いいかげんに』
『『こっちをみろー!!』』
「おば…か?」
え?あれれ?
ギギギっと声?がする方を見てみると、女神様に突き落とされてから初の!お話出来る人(?)が!
『もう!』
『やっとこっち、みたのかよぉ!』
『さっきから、ず~っと!よんでるのに』ぷんぷん
『ぜんっぜん、きづいてくれないんだもんなぁ』ぷんぷん
それはそれは、ごめんなさい。
でもね、こんな空の上で普通誰かに会うなんて思わないでしょ?
『そんなことないわよ? 』
『おれたちみたいなの、わりとそこらじゅうにいるよな?』
『ね~♪』
『な~♪』
そ、そうなの?
あれ?わたし声に出してたかな?
『ん?おかおにね、でてるわよ?』
『うん!わかりやすいよな~』
『『アハハハハ』』
な、なんですと…
初めはプンプン。今は呆れたように、でも楽しそうに話しかけてきてくれた二人の姿は、キラキラと光をまとって、背中にあるキレイな透ける羽をパタパタさせた、女の子と男の子でした。ただし、身長は10センチくらいの。
か、可愛い!手のひらサイズの美少女に美少年。
癒しが、癒しが現れた…!
『あっ、そうだった』
『そんなことより』
『ねぇ?』
『こんなとこでなにしてんの?』
『『だいじょうぶ(か)?』』
ふお~お!癒しに話しかけられた~!
「だ、だいじょぶでしゅ?ありがちょう。でしゅ」
『そう』にこっ
『それはよかったな!』にこっ
おぉ。笑顔がまぶしいです。じゃなくて
「と、ところで…
あっ。あほな子なのがバレました…
でも、確認は大事だよね?
どちら様?と聞かれた小さな美少女と美少年は、おめめとお口もぱっかんですね。そんなお顔も可愛いとは……ずる~い。
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
お読みいただきありがとうございますm(*_ _)m
ここからしばらくひらがな会話が続きます。しばらくですのでお付き合いいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
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