バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

第9話 魔王と勇者見習い(18)

「どこにいる? どこにいる?」と。

「さぁ~、今直ぐ答えろ、魔王~」とね。

 最後は彼女のことを恐ろしい形相と冷たい瞳で上から睨みつけながら。

「今直ぐにだぁ~。さぁ~。早く答えろ。魔王―?」と。

 最初は大変に重たく低い声色で、気弱な状態へと陥っている麗しい魔王さまのことを。一樹は男らしく優しく、労ることもしないで冷たく冷めた声音で問いかけていくのだ。

 でッ、最後は彼、荒々しく大きな声──。

 そう、落雷でも落ちたかのような恐ろしい声色で、魔王さまに今直ぐ応えるように告げながら迫ってくるのだ。

 だから魔王さまは恐ろしさの余り「ヒッ!」と声を漏らし、肩を竦めてしまう。

 ……だけではない。


「しらぬ~。しらぬ……。わらわはしらぬ……」と。

 魔王さまは、自身の顔色を変え、頭を振り。震え慄きながら。自身へとじわりと迫りくる一樹へと説明──。

 それも、自身に威圧をかけながら迫りくる一樹に同調するように、彼女は横たわっていた自身の身体の上半身だけを起こして──。座ったままの状態で、じわりじわりと後ずさりを始めながら、一樹に怯えながら声を震わせて説明をする。

「知らぬことは、ないだろう! 魔王―! 俺があるひとから聞いた話しでは、このお城に住んで居るのは、その少女一人のはずなのに。何故、貴様がこの城にいるのだー? 魔王! 今直ぐに、そのことを俺に説明をしろー!」と。

しおり