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第9話 魔王と勇者見習い(14)

「うぐ、ぐぐ、くそぉおおお~! 勇者ぁあああ~。めぇえええ~!」と。

 勇んだ台詞を勇者見習いである一樹へと怒号……だけではない。

「はなせぇえええ~。はなせぇえええ~。勇者~! 我のことを離せぇえええ~!」と。

 魔王さまは、自身が武器を使用できないのであればと思えば?


 今度は自身の両手を振るい回し、暴れながら一樹へと抵抗を試みるのだよ。

「離せぇえええ~! 離せぇえええ~!」

 と、相変わらず彼女は荒々しく叫びながら暴れる。


 ……だけではない。


 何とか、自身の今の干からびたカエルのような状態を改善──。せめて仰向けになり彼女は、自身を床へと押さえつける一樹の顔へとビンタの張り手の雨嵐の連発──。腹部やその下にある一樹の大事な個所へと蹴りの連打を食らわすためにと。

「くそ~! くそ~! 勇者めぇ~! わらわを愚弄しおって~」と。

 やはり荒々しく不満を放ちながら。

『ドンドン』と、床を自身の足や、卑猥に腰をピストン運動させながら反転も試みるのだよ。

 と、なれば? 一樹は男──。


 それも年頃の青年なのである。

 まあ、そんな彼が、肌の露出度の多いい魅惑的な甲冑を身に纏う魔王さまの、麗しい桃尻の優艶な腰振りを『チラリ』とでも凝視してしまえば。

 彼は『ゴクリ』と、自身の生唾を飲み込み、喉を鳴らしながら凝視──沈黙してしまえば。彼の魔王さまの首を強く握り、床へと押さえつける力が緩み、加減をしてしまうことは間違いない。

 一樹も男性だからね。いくら魔王さまに対して憤怒、怒りをあらわにしながら、自身の気を高ぶらせ荒々しくなっていたとしても。

 それを忘れ穏やかに。

 そして自身の吊り上がった目尻を下げ、鼻の下を伸ばしながら見詰め、魅入り、堪能してしまうほど、麗しい魔王さまの官能的な桃尻からなる腰振り──ピストン運動と言う奴は、世のオス達を魅了、虜にするものなのだ。

 だから『あるひと』に頼まれも物が見当たらず。気を荒々しくしてしまった一樹の顔の表情も穏やかになるから。彼は気を抜き、手加減してしまう。

 と、同時に?

 魔王さまは反転──。

「勇者ぁあああ~!」と声を大にして叫びながら。

 一樹の頬を『バシン!』と、平手打ち──。


 と、なれば?


 その後は、皆さんの御想像通りで、一樹は魔王さまの往復ビンタの刑により刹那……。



「うぐ、ぐぐっ、がぁ~、はぁ~。く、くるしい。た、助けて、お願い……。お願いします……」と。

 一樹の口から気落ち、悲しい声が漏れる。

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