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第6話 大きな扉の前(2)

〈キィ、イイイ~〉と。

 金属の鈍い摩擦音と、ゴムが路面の床と触れ摩擦をする鈍い音が、古城のダンジョン内の隅々にまで響き渡り、終われば。金属製品で出来た二輪車──。KawasakiZ400FXが急停車して止まる。

 と、同時に?

 Z400FXに跨り、運転をしていた者一樹は、ヘルメットを着衣したままの状態で。この漆黒の闇の中にある、『ある物』を凝視するのだ。



 そしてこのように、少しばかり間が空けば。彼の肩にチョコンと、大人しく腰を下ろし座る。

 それも? いつ自身の懐から出したのかは未明ではあるのだが。タバコ──。

 それも? タヌキの御老体の置物、ぬいぐるみサイズのタバコって? 近代日本にあったけぇ~? と、思われるほど小さい大きさのタバコ……。今風の電子タバコと言う奴を吸っている様子なので、不思議でならないタヌキの御老体へと。

「爺さん、この世界一の財宝があるのは、この部屋でいいんだな?」と。

 一樹は、自身の面前にある『ある物』……。

 そう、大きな漆黒の扉──。

 それも? 観音扉仕様で、二つの扉には、大変に豪華な装飾が施された大きな両開きの扉を凝視しながら問う。

 するとタヌキの御老体は、自身が咥えていた超ミニサイズの電子タバコを咥える行為をやめて。「フゥ~」と、声を漏らしながら、自身の口に含んだ煙を「ハァ~」と、また声を漏らしながら吐く。


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