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第6話 大きな扉の前(1)

「か、一樹! ここだ! ここ! この部屋だ! とまってくれー!」

 この世界に不釣り合いな近代機械であるKawasakiZ400FXを駆り、漆黒に染まる古城のダンジョン内を駆け抜ける二人の青年と壮年……。

 そう、一樹と物の怪タヌキの御老体なのだが。ダンジョン内をニケツで走行──。二人は目的なく只走行をしてようにも見える光景でもあった。

 でも、Z400FXの後部シートではなく。一樹の肩の上で大人しく座っていた物の怪のタヌキの御老体の口が急に開き──。一樹へと急停車を促す指示を送る。

 となれば?

 KawasakiZ400FXに跨り運転をしている一樹の口からは。「えっ?」と、驚嘆が漏れる。

 と、同時に?

 KawasakiZ400FXの鋼の車体──ブレーキとタイヤから。


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