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第3話 ナス紺色のZ400FXを駆る者……(2)

 と、同時に?

 先程聞こえた歌声、声音は、一人の者。そう、若者だけの声音だけでないことに気がついた。

 そう? この昭和の時代の終わり頃の古き良き時代の唄を歌い奏でる者は。この場の場所に不釣り合いな二輪の近代機械。ナス紺色のKawasakiZ400FXに跨り駆る若者一人ではなくて。この昭和と呼ばれた時代の古の唄に相当しい年齢の者の歌声も聞こえてくるから。この【時間城】のダンジョン内をナス紺色のZ400FXで早き事風の如しで、人馬よりも早く駆け抜ける者は一人ではなく青年と壮年の二人になる筈なのだが。一人の青年の姿しか確認できない。

 だから不思議、困惑……。もう一人の壮年。そう? 世に言われる第二の人生世代である【おじさん】は何処にいるのだろうか? と想いながら確認をするのだが。姿は見えない。只彼? いや二人の唄声だけは未だ続く。

「逢いに行くんだ~♪ 直ぐに~♪」と。

 大変に機嫌良くねぇ。


 ◇◇◇◇◇

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