第4話 【メタルハート 4話 仕事】
メタルハート 4
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第4話
【メタルハート 4話 仕事】
依頼を達成したことをギルドに報告したロウ達は、宿に戻っていた。
ロウは先程の討伐でもらったお金をアイサに全て渡す。
アイサはそれを受け取ると、
「良いの?」
と不思議そうに聞いた。
ロウは首を振る。
「ま、お前がいなければ危なかったわけだしな。それにそんなちっぽけな金は俺には必要ない」
アイサはロウから受け取った金貨を財布にしまう。
「それでそろそろ指令書が届いてる頃だな」
ロウはそう言うと、部屋にある窓の方へと向かった。
「お……」
ロウが窓を開ける。すると宿の中に光が入ってきて、一気に明るくなる。
古びた宿で冒険者に人気の宿ということで、ロウ達はここを借りている。それも冒険者であると周りに思わせるため。
窓を開けたロウは一枚の小さな紙を持って、アイサの方へ振り返った。
窓の隙間に紙が挟まっていたようだ。
「なんで書いてあるの?」
「今日の夜9時、酒場の裏の路地で待つ……らしいな」
紙には通常の言葉ではなく。ロウやアイサ達にしか伝わらない暗号で書かれている。
書いてある内容は待ち合わせの場所と時刻。その場所に今回の任務内容を知っている仲間がやってくる。
「まだ時間があるみたいね」
「ま、予想以上に早く依頼が終わって、まだ昼過ぎだしな」
まだ冒険者としての依頼が終わってから、そんなに時間も経っていない。
まだ待ち合わせの時間までは時間がある。ロウ達は時間を潰すことにした。
ロウとアイサは村をふらふらと歩く。さっきまでの冒険者としての装備は宿に置いて、簡単な軽装でロウ達は村を探索した。
村には多くの店があり、冒険者用のギルドがある村ということもあり、旅人用の店もいくつもある。
冒険者としてこの村に潜伏してから、長いことこの村にはいたが、こうやって村を探索するのはあまりやっていなかった。
「あ! あれ見て!」
「ん、なんだ?」
ロウ達は昔を思い出すように、村での平和な時間を楽しんだ。
あんな事件が起きる前の、平和だった村人の時代を思い出しながら……。
やがて時間になり、夜飯を食べたロウ達は人目を避けながら、待ち合わせ場所に向かった。
待ち合わせ場所には誰もいない。
酒場の裏は狭い路地でゴミなどが溜まっており、先には木材で壁が作られていた。
ロウとアイサは木材の壁に背中をつける。
すると、壁の反対側から声が聞こえる。
「…………来たか。心鋼(シンコウ)」
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二人は何者なのか?