第2話 【カボチャの討伐へ 其の2】
せかへい 外伝9
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第2話
【カボチャの討伐へ 其の2】
ミエとダズがギルドに到着すると、入り口でガーラが待っていた。
「あ、クエスト決まりましたか?」
「ああ、一応な」
ガーラは一人足りないことに気づく。
「おい、リトライダーはどうした?」
「あ、奴なら腹痛っす」
「…………」
しばらく経って、やっとリトライダーも合流した。
顔を青くしたリトライダーにガーラは聞く。
「……おい」
「は、はい、大丈夫ですから、……一応」
「…………」
こうして全員集まったということで、クエストを受けるために移動を始めた。
向かうは村の外れにある畑だ。
「今回のクエストはなんですか?」
ガーラは無言でミエ達に紙を見せる。
それはクエスト内容の書かれた紙だ。
[カボトレント討伐依頼]
成功報酬30金貨。
村のカケラーヌの管理する畑に現れたカボトレントを討伐する。
「カボトレントってあの!?」
ミエが言うとガーラは頷く。
「ああ、あのカボトレントだ」
「カボトレントってなんですか?」
「…………知らないのかよ。なんだったんだ、さっきの反応は……」
ガーラは説明を始める。
カボトレントはカボチャの実る頃に現れるモンスターでカボチャに擬態するトレントだ。
正確には虫型のモンスターであるが、モンスターランクはB。かなり強力なモンスターだ。
ギルドはモンスターの危険性などからそれをランク付けしている。A〜Fランクまであり、その強さなどもそのランクから測ることができる。
そのため、冒険者のどのモンスターがどのランクに該当しているのかを覚えており、自分の力量と照らし合わせながらクエストを選ぶ。
しかし、そのランクは所詮は人間の作ったもの。状況などで強さは変化するため、あまり頼り過ぎも良くはない。
「Bランクモンスターっすか。俺たちでやれるっすかね?」
ダズは心配そうに言う。ガーラはダズの方を向くことなく、後ろを振り向かず歩きながら答える。
「俺は何度か討伐したことある。ランクの割にはそこまで強いモンスターじゃない。どこにいるのかさえ、わかっていればな」
そんな会話をしているうちに、ついにクエストの場所に辿り着いた。
そこは小さな畑である。
周りには実っている植物がいっぱいあるが、カボトレントの発生により収穫ができていないようだ。
「……良いか。奴はこの畑の中央にいる。無理に突っ込むなよ」
ガーラは片手斧を持ち上げる。ミエは魔法の杖を、ダズはメリケンサックを腕につける。
「行くぞ!」
続く