バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

8章 え?

「ゲームセンター」を外から覗いてみた。幅広い年齢の人が、いろいろなゲームに熱中していた。子供だけでなく、大人も遊ぶ施設のようだ。

 次に目についたのは、「休憩室」。トレーディングカードゲーム、トランプなどで子供が遊んでいた。

「休憩室」の次は「自習室」。「自習室」となっているからか、読書、参考書などを開いている。勉強を教えてくれる人はいなくとも、自分で知識を身に着ける姿は立派だ。

 アカネが廊下を歩いていると、一人の少年と顔を合わせることとなった。

「こんにちは・・・・・・」

 少年はこちらの顔をのぞき込んできた。アカネは恥ずかしくなり、視線をそらしてしまった。

「レベル95といわれるアカネさんですか」 

 ギャンブル店だけでなく、フリースクールにも情報が知れ渡っている。情報拡散スピードは、アカネの超能力を超えている。 

「はい、そうです」

 少年は片手に膝をつき、神を崇めるようなポーズをとった。

「アカネ様はセカンドライフの街の神様です。この街を温かくお守りください」

 アカネはただの人間であり、神様などでは決してないはずだ。住民の頭がおかしくなってしま
ったのかな。

「レベル95のアカネ様がやってきました。みなさまでお祈りを捧げましょう」

 アカネのいるところに次々と人がやってきた。その後、みなは少年と同じようなポーズをとった。

「アカネ様・・・・・・」

「アカネ様・・・・・・」

「アカネ様・・・・・・」

 一種のオカルト集団さながらの行動に、脳内はおおいに混乱することとなった。

「私は一人の人間だよ。神様ではないよ」

「アカネ様は守り神ですので、神様同然の存在になります」

 悪魔の心を持っていれば、破壊神にもなりうる存在だ。神様、破壊神というのは紙一重の存在になりうる。

しおり