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第141話 四神獣を求めて

 ここがブルードラゴンを倒した場所だから、ここから西へ……
「ねえ、フェイ、ここってちょっと高台になってない」
少し考えこんでいた僕にミーアが声を掛けてくれた。
「言われてみれば」
とは言ってもそれに意味があるのかどうか。
「なんにしても、ここが四神獣の中の東を守るブルードラゴンのいた場所ということしか分かっていないんだから西をって木が邪魔だな。ちょっと木に登ってみる」
僕はとりあえず探知で周囲に脅威となる魔獣が居ないことを確認して木に登った。そして西方向を見るとここと似たような高台が見える。とりあえずそこまでで僕は木から降りミーアに声を掛けた。
「西にここと似たような丘のようなものが見えた。とりあえずあそこに行ってみよう」
僕達は半日ほど歩いて目的の高台にたどり着いた。そこには、ただ小高く盛り上がった小山があるだけ。とりあえず周辺を探索してみるものの、特に変わったところは無かった。僕もミーアも頭を捻るものの明確なアイディアは出ず。今日はここで休むことにした。山頂から外れた木の陰でいつも通りに最初の3時間をミーアに見張りをしてもらいその後明け方までを僕が見張りに付いた。
 翌朝は高台の木に登り周辺を眺める。すると、東西南北それぞれにこんもりとした小さな山を見つけることが出来た。
「ミーア、東西南北の四方に同じような小山がある」
「伝承の四神獣も東西南北の守り神みたいな扱いよね。そうすると……」
僕はミーアと顔を見合わせて頷き。
「とりあえず南に行ってみようか」
「何か理由あるの」
「いや、特別に理由は無いよ。ただブルードラゴンが東だったから右回りで行ってみようかと思っただけ」
「じゃあ、今日は南の小山を探索ね」
「ああ、ただ気をつけないと、伝承を素直にとれば南には赤い鳳と言われるものがいることになるからね」
僕達は保存食で朝食を済ませ南の小山に向かった。やはり半日ほど掛けて移動し周辺から様子をうかがう。
「探知にも何も反応しない。とりあえず登って確認しよう」
山頂には、すこしばかり開けた場所があり広場になっていた。
「何もないな」
「確かにぱっと見は何もないわね」
それでも広場の様子を確認しながら探索を行った。
「ミーア、ちょっといいか」
「何フェイ。何か見つかった」
僕は広場の中心部で指をさしミーアに示した。
「な、ここだけ踏み固められているみたいだろ」
「とすると、近くで監視しながら待ち伏せね」
「ただし、ブルードラゴンの例もある。恐らく赤い鳳だと思うが人間以上に知恵が回る相手だ。目に見えるような場所での監視というわけにはいかないし、ブルードラゴン討伐にも気付かれていると思った方が良いだろう」
そして、僕は小山の風下を指さす。それを見てミーアも薄く笑い頷いてくれた。

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