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2.5話

「ん?リック、こんな所で何してるんだ?」

ココロと入れ替わるように、家からハロルドが出てくる。何も言わない所を見ると、ココロとは会わなかったのだろうか。
何も無い庭から、馬小屋をぼーっと見つめている弟リックに、不思議に思いつつ声をかける。

「あ、兄さん。さっきココロさんが来たんだけど…」
「ココロが?馬車の使い方はまだ教えてないけど、どうやって?」
「その馬車で。馬はもう中に入れたよ」
「で、馬車の方は?」
「それが…」

リックは先程の衝撃的な光景を思い出しながら伝える。
馬小屋の入り口まで、馬車に乗ったままのココロを案内し、降りた所で馬を開放しようと待ち構えていた。
ところが、ココロが馬車から降りてきた途端、それは小さく折りたたまれた。
大きな馬車は丁度いい大きさの鞍の形になり、今は馬の背中に何事もなく乗っている。
そしてココロは、降りてから軽く衣服を整えており、振り向いた時にはもう背中に収まった後だった。
1分程の出来事だっただろうか。正直、何が起きたのか未だに理解が追い付いていないのが現状だ。

「って言う事があってね」
「なるほど。で、ココロは?」
「ココロさんも驚いてたから、もしかしたら僕の知らない所でそんな馬車が開発されたのかと思って。問題ないからってもう行ってもらったよ」
「そうか」

リックの話を聞いて、ハロルドも考える。
もちろん、鞍の形に折りたたまれる馬車等は存在しない。
昨日ココロへ贈った馬車はごく一般的な物だ。
そして馬はというと、特別頭の良い品種の馬ではあるが、そんな機能ある分けがない。
となると思いつくのは…

「ココロの能力、か?」

それしか思い浮かばない。
みどりの手を持ち、妖精達と心通わせる事ができるが、その能力は正直未知数だ。馬車の形態を変える事も問題ないのかもしれない。

ともかく、今のままでは答えも出ないので、ココロが帰ってくるのを、このまま待つことにした

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