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親友と通話をしながらゲームをします。

一人暮らしは全学生の憧れでは無いだろうか。引っ越しを終えたその日の夜、遼は新しい家でモニターを眺めながらそんな事を思った。

ちなみにモニターはゲームをするために前の家から持ってきたものだ。テレビを見ることは出来ないがゲームをすることは出来る。ゲームが何よりの趣味である遼にとってはそれで十分だった。

「ちょっと藤くん聞いてる?」
「え、あ、ごめん」

スマホからする結衣の声で、自分がモニターを眺めてるだけなのではなく、ゲームをしていたのだと思い出す。夜、二人とも暇な時は通話をしながらゲームをするのが二人の日課だった。

「んで、なんの話しだったっけ」
「聞いてないならいい」
「ごめんて・・・・・・」

結衣、ちょっと怒ってるなと遼は思った。
まあでも放っておいたら何かが起こるわけでもないから放っておけばいい。
二人は気にせずゲームを続けた。

「一人暮らしを始めた感想はどう?やっぱり楽しい?」
「いや、まだ今日引っ越したばかりだからなんとも。でも、こうやって何も気にせず話せるのはいいかもな」
「いいなー」
「いいなって結衣も一人暮らしするんだろ?」
「うん!三日後に引っ越しだよ、楽しみ」

遼と違って突然引っ越しすることになった結衣は、遼よりも三日遅れで引っ越しすることになったのである。

「楽しみではあるんだけど心配事もあって」
「そりゃお前生活力皆無だもんな」
「うるさい、頑張るし」

結衣は掃除も料理も得意という柄ではない。

「そうじゃなくて」
「なんだ?他に心配するようなことあるか?」
「うん、お隣さんが怖い人らしいからどうしようと思って・・・・・・」
「おい、ふざけるな」
「あはは」

結衣のお隣さんは遼である。

「いやでも、結衣が隣の部屋に引っ越してくるのは楽しみだな。それも一人暮らしだし」
「え、なに?エッチな意味?やめてよ?」
「そうじゃねーよ。どっちかの家に集まれば、オフラインゲームもできるようになるだろ?」
「それは確かに」

今では通話してゲームをする都合上、オンラインで出来るゲームしか出来ない。
しかしこれからは同じモニターを囲めばマリオとかのオフラインゲームも出来るだろう。

「ほら新作が出るのもちょいどもうすぐじゃないか?」
「そう!楽しみなんだよね~」

マリオの新作が確かもうすぐ発売だ。
結衣もやろうと思っているらしいから、ちょうど二人で出来るだろう。

「んじゃ私、そろそろ落ちるね」
「あ、もうそんな時間か。おやすみ」
「うん、おやすみ~」

時計を見ればもう日付が変わっている。
俺はもうちょっとやってから寝るようかな。と遼は思った。一人暮らしの遼は夜遅くまでゲームをしていても誰にも怒られない。

「これなら結衣とも徹夜でゲーム出来るんじゃないか?」

親友が隣に引っ越してくる。
それに、お互いに一人暮らしだから色々やり放題。
そんな状況が楽しみじゃない人がどこにいるだろうか。
遼は親友との新生活に胸を膨らませていた。

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