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04


『言っただろう?俺は、妖精族が嫌いだと。
 何故……それなのにココに来るんだ?』

 まだそれに、こだわる煌君だった。
私は、自分の怪我よりもそれに、こだわりたがる煌君に腹が立ってきた。

 何故それに対してこだわるの?
心配するから行くに決まっているじゃない。
 
「そんなの……大切だからに決まっているじゃない!!
 だから来ないと心配するし、嫌いだと言われたら傷つくの。
 でも私は、嫌いだからとか言われても諦めないから
大切な人だから一緒に居たいの!!」

 自分の気持ちをハッキリと告げた。
そうなのだ……大切だから一緒に居たいと思った。
 だから嫌いだと言われて傷ついたの。
やっと自分の気持ちに答えが出た。

『カレン……お前……』

 すると背中の方から拍手が聴こえてきた。
えっ……?
 振り向くと出口の方から誰かが出てきた。
ランタンの光りで人物が見えてきた。

 20代になるか、ならないかの男性2人組だ。
同じ顔に背丈からして双子だろう。
 しかし黒い髪に赤い目をしていた。
整った顔立ちをしているが、ニヤニヤと笑っている。
 それに黒い獣の耳にしっぽがある。
獣族の人だとすぐに理解した。

『ぐっ……紅澪(ぐれい)紅雷(ぐらい)!!』

「お兄様だろう?キラ……」

 えっ……?お兄様!?
じゃあ、この双子は、煌君の……。
 私は、驚きながら見ていると煌君は、ギロッと睨みつけた。

『何が、お兄様だよ!!
弟に対してこんなことしゃがって……ゴホッゴホッ……』

「煌君!?大丈夫?」

 キレる煌君だったが、むせるように咳をする。
すると血を吐き出していた。
 えっ!?ど、どうしよう……かなり重症じゃない!!
早く病院に連れて行かないと。
 あ、この場合は、獣医のところ?
私は、オロオロしていると……。

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