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06


 シンは、周りに人が居ないと確認すると大きくなる。
私は、シンのところに駆け寄ると足元に抱きついた。
 半べそになりながら……。

「良かった~迷子になっちゃったの」

「はぁっ?何で途中まで周りの子と一緒に帰らなかったんだ?
 あまり遅いからルイに迎えに行って来いと言われて来てみたから良かったが……」

 シンは、呆れながら私を抱っこしてくれた。
私は、煌君を追いかけてと言えなかったので、ギュッと抱きつくだけで何も言わなかった。
 そして一緒に手を繋いで自宅に帰ることにした。

 しかし私は、その後も煌君の言葉を気にしていた。
夜になり夕食を食べながらも……。
 彼は、やはり他人と関わりたくないようだった。
特に妖精族とは、距離を置きたいらしい。

 でも、何故だろう?
すでに関わりがあるような気がする……。
 それに本当に嫌なら、もっと拒否反応ぐらい示してもいい気がする……。
 アレだと余計に気になっちゃうよ……。

「カレン。どうかなさいましたか?
ご飯が進んでいませんが?」

「う……ううん。何もないよ!
ちょっと考え事をしていただけ。あ、おかわり」

 私は、残りのご飯をかき込むとルイに茶碗を差し出した。
いけない、心配かけちゃう。
 ルイは、心配そうに茶碗を受け取る。

「それならいいのですが……」

「あ、俺もくれ。あとお茶も」

「……あなたは、何杯目ですか?まったく……」

 ルイは、呆れたようにため息を吐いて、シンの茶碗も受け取った。
 そして近くに置いてある炊飯器の蓋を開けるとご飯をよそってくれた。
 私は、それを見ながらクスクスと笑っていた。

 2人に心配かけたくないから黙っておこう。
それに、これは自分でどうにかしないといけない気がする。
 まだ仲良くなるのを諦めたくないと思った。
よし、見てなさいよ……絶対に距離を縮めてやる。
 何故だか対抗意識が芽生えてきた……。

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