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目的と役目

 別の島、名をエルバ島と言う、異世界からの侵略者達との戦争が行われている島で、一人、所々壊れた図書館で外の大きな音が鳴り響く中、静かに本を読んでいた。 ソコに一人の来客が来た。 その来客は少し前、別の島、マラプ島で累達と戦った男だった。

 「邪魔するよー」
「縁(みどり)か なんの様だ?」
「君が言ってた人達に会った」
「会ったんなら、どうだった?」

 緑は目線を逸らし少し困った様な物言いで

 「正直今の所勝てる見込みは無い」
「ならお前にどうにかして欲しいものだ」

 今度は何度も説明しているだろうとため息は吐いてダルそうに説明した。

 「もし仮に勝てても、その存在が無い世界になるだけで、別の誰かがこの世界の神とかになるか、この世界が最初から無いって事になるのがオチだよ。 ソレに、どっちも僕は望んで無いし、後者の方が可能性は高い、勝てても犠牲が大き過ぎるし、みんな忘れても僕は憶えてるからね、ソレに心の傷が増えるのは避けたい」

 ソレを聞き終わるとさっき読み終わった本を慣れてるかの様に本棚に投げ入れ、又新しい本を取り、緑に投げつけた。
その本はこの世界の聖書の様な物だった。

 「やはりダメか、神の思い通りになるだなんて、最悪だ、緑、もしその気があるのなら、さっさとして欲しいモノだ、消えても同じだしな。まさか、知らなきゃ勝ちだったなんてな、俺に神殺しをさせる為の傀儡だったなんて、知らなきゃ良かった」

投げ渡された聖書を流し読みした後、ポーンポーンと上に投げて遊びながら

「君の本来の役目は無神論、だっけ、君の今の役目は確か、神を殺す、だったね、まぁ、役目は間違いではないんだろうけど、そう言うのは、自分の意思だって、信じたいよね」

 緑は聖書を男の方に投げると、男は本をキャッチし、又本棚に投げ入れた。

 「役目はともかく、もしも殺せなきゃ世界を滅ぼすらしいからな、どちらにしろ、戦わねばならないのは変わらない、掌の上にいる様で釈だな」

 そして男は本棚から又本を取り、読み始めた。

 「ソレで、本当に殺すのかい? 僕は軽くあしらえたけど、戦った感じ、君たちクリフォトと彼が戦う事を考えると、五分、そして相性や考え方次第では、完封されかねないよ」
「素材だと言ってた割に、えらく強くしたみたいだな」
「力をより引き出してるから強くなってるのかも」
「アイツ自分を殺させる気あんのかよ」
「彼との戦いを無しにしても、他のクリフォト達を殺す事で完全になるって事を考えると、誰がクリフォトか、そして、能力を分かっていたとしても、殆ど同じ様な強さの人間九人殺すって、君の役目、他の世界じゃ先ず見ないよ、でもソレをやる気は無いからソコは安心した。」
「そうしない為に、別の世界に有るってヤツを探してもらったんだからな」
「この世界狭い方だからね、ちゃんと見つけれたよ」
「ココに来たついでだ、異世界のヤツら殺してこい」
「時間かかるし、普通に殺そうとしても普通の攻撃効かないから、君の影達や彼女の私兵達が良いよ、どうせ、両方とも替えが効くとか思ってそうだし、何より無駄だし」
「アイツ曰く金がかかるからなるべく減らしたく無いんだと」
「君はともかく、彼女は命の価値軽いみたいだねホント、僕が言える事じゃないけどさ、じゃあねルター君、どっちの選択でも、君の意見を尊重して動くよ」

ーー
バチ当たりだなぁ二人とも…… 本投げるなんて

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