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不死身殺し

 「他の船も見つけれたよ、ただ」
「魚が暴れまわってるのか?」
「天気が悪い、多分雷様が凄い駄々こねてる」
「おい氷川、魚は凶暴みたいに聞いたが全くと言っていい程何もして来ないぞ」
「俺が知る訳ないだろ、何でか外にいるヤツがそうなんだから」
「とりあえず突っ込むぞ」

 少し時が進み、累とリュートは別の船の上で骸骨を蹴散らしながら、何が有ったのか状況を整理していた。

 「ソレで嵐の中入って、骸骨が動き出したと思ったら船壊れたんだよな」
「しかも見事に逸れましたね」
「どうにか別の船を見つけて入れたが、魚じゃなく、骨を相手にしないといけなくなるなんてな」

 骨達が襲いかかると同時に氷の剣を錬成し、攻撃を始めた。敵は一定以上のダメージを与えるとカランカランと音を立てて転がるが、すぐに再構築し、何度も何度も襲いかかってきた。敵はソレ程強くは無いが、何度も復活し襲いかかってくる骨達に累達は徐々に体力を削られていった。月の斥力で海に落とそうとしても、押し出す前にバラバラになり、凍らせようとしても、凍った部分を切り離し、何度も何度も襲いかかってくる骨達に累とリュートは疲弊していった。

 「ハラタツなコイツら、しかも凍らせようとしたヤツらは他のと合体とかしやがるし、ココのボス倒すまでに体力持つ自信、流石にねぇな」
「他の能力とかどうですか? 例えば前使ってたらしい隠者とか」
「隠者なんて使った記憶ねぇぞ」
「とにかくやってみましょう」
「…… 誰か知らないが借りるぞ、隠者」

 隠者と言った直後、左手に手に氷を出し、右手に棒を出すと、右手に出した棒を力一杯怒号を放ちながら近くの骨を攻撃した。すると、骨は消えていった。

 「棒なんてほぼ使った事無いが、コレでコイツらぶっ潰せるなら、この程度苦にはならねぇな」
「本当だったんだ、アレ」
「何が?」
「いえ、なんでも」

 累が甲板の骨達を全滅させると、累とリュートは船の中を探索した。船の中に入った直後、累は正義の能力も使い、遭遇した敵を容赦なく倒していった。道中、幻を見る事も有ったが、幻はやり過ぎだと言わんばかりに徹底的に攻撃した。

 「出口、近いかも」
「そうか、もし心配なら先に出てても良いぞ」
「今回はそうするよ、ソレと、累君、出口は一つの場所に止まることはないみたい、後心強い助っ人呼んでくるよ」
「要らねぇ」
「出る時絶対役に立つよ」

 リュートはそう言うと一目散に迷う事無く、出口の有るであろう方向に走っていった。 

 「アイツ、能力は分からねぇが、無事に出れると良いな」

 累は船を粗方探索した後、甲板に出て斥力で又違う船を探した。

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