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03


 ヤバいと思い慌てて謝った。
恐怖で震えていると課長は、ハァッ……とため息を吐くと私の頭をポンポンと撫でてきた。
 えっ?何で私の頭を撫でているの?

「別に謝らなくていい。
 お前は、俺にビクビクし過ぎだ。
上司と言っても元なんだし、もっとフランクに話せ」

課長……?
 心臓がドキッと大きく高鳴りだした。
そ、そんな事を急に言われても困ってしまう。
 それに……フランクって恐れ多くて言える訳がない!

「そう言われましても……年上ですし。
課長は、課長ですし……上司に向かっては、さすがに」

 モジモジしながらそう答えた。
いくら本人から許可が出ても難しいだろう。
 言ったら、言ったで怒られそうな気がする……。
すると課長は、ハァッとため息を吐いてきた。

「お前は……俺を課長としか見ないんだな」

「えっ?課長……今なんて……?」

「あの……お取り込み中すみませんが、マッサージの方を進めてもらってもいいですか?」

 マッサージを教えてくれる講習の先生がそう言ってきた。
あっ!?今マッサージの途中だった……。
 つい忘れて課長と話し込んでしまった。

「申し訳ない。ほら、宮下。
さっさとうつ伏せになれ。マッサージが出来ないだろーが」

「は、はい!」

 私は、慌ててうつ伏せに戻した。
課長は、またマッサージを再開させる。
 さっきの言葉は……一体なんだったのかしら?

『お前は……俺を課長としか見ないんだな』って
それってどういう意味?課長は、課長でしょ?
 それ以外、どう見ろと言うのよ?

 課長の言葉は、意味が分からない。
しかしマッサージは、気持ちがいい。
 なんと言うか、疲れが取れると言うか……私が凝っている場所を的確に当ててくる。

 あぁ……ダメ。眠くなってきた。
課長と一緒に居ると何だか……いつも眠くなってしまう。

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