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第七十九話

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次の日、事務所の朝礼が終わった後、俺は昨日の3人を呼び止めた。


「すみません。昨日の件で、ちょっと話したいことがあるんですが、2階に上がってきてもらえませんか?」


「えー! もしかしてまだやんの? あんなことがあったのに——」


「……お願いします」


頭を下げた俺に、流石に広瀬も目を丸くしていた。


泉に至っては、口が開きっぱなしだ。


「…………でもよっ——」


愚痴る広瀬を制したのは、俺に張り手を食らわせた牧野だった。


挑戦的な瞳でこちらを見下ろしている。


「いいよ。今のあんたなら聞いてあげる」






俺達は昨日と同じセットが置かれた場所へやってきた。


「早くしてくれよー? こっちはまだ休憩時間なんだから」


こたつテーブルに座り、広瀬が挑発している。


「……3人とも、昨日は酷いことを言ってすみませんでした。

……昨日、牧野さんに言われたように、私はまだまだこの業界では下っ端だ。よく知らないことも多い。

……だが決して、AVを馬鹿にしているわけじゃないこと、あなた達を蔑んでいるわけじゃないことを、どうか分かって欲しいんです。

それに十分な設備の調っていない環境で、3人共本当によくやってくれています」

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