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涼香⇔龍神バルロス{改済}

 ここはルトルシニア国のファストル城から北東に位置する、山のふもとの生贄の祭壇があった場所。

 要は泣いている涼香の側まできた。

 そして要は辺りを見渡したあと、ここでなにがあったのかと心配になり、涼香に声をかける。

「これは……。涼香!いったいここで、なにがあった?それにお前の身に、なにが起きたっていうんだ!」

 そう聞かれ涼香は泣きながら要の方に視線を向ける。

「うぅ。ヒクッ。グスン。か、要。私。グスン。うわぁ〜ん。ど、どうしていいのか分からない。こ、こんな姿になっちゃったし……」

「落ちつけって言っても。この状況じゃ無理だろうな。涼香、ここでなにが起きた?それと、なんでこうなったのか教えてくれ」

 そう要に聞かれ涼香は泣きながら、ここでなにが起きたのか説明した。

「なるほどな。涼香は龍神バルロスに喰われそうになり、なぜか能力が発現した。そして無意識にその力を使ったってわけか」

 要はそう言いながら思考を巡らす。

「そのまま吸収すれば、涼香もバルロスも消滅してしまう」

 要は一呼吸おくと、

「だから涼香はバルロスと契約を結んだ。そのお陰で消滅せずにすんだが、バルロスと同化したせいで身体の一部が龍化したってわけか」

「うん。ヒクッ。そうなんだけどね。うっ。グスン。要。これから私。どうしたら、いいのかな」

 涼香は泣きながら要にそう問いかける。

「涼香。ここに、ずっといるわけにもいかない。だからといって、このままじゃどうしようもない」

 そう言い要は、涼香のためになにをするべきか考えた。

「ん〜。……なにか身体を隠す物が、どこかにあればいいんだけどなぁ」

 そう言うと要は辺りを見まわしながら考えだす。すると急に泣きやみ涼香の表情が一変した。

「ふう。涼香はかなり混乱しているようだ。これではまともに話が出来ん。そうそう、我は龍神バルロス。少しお前と話がしたい」

「ちょ、ちょっと待て!これはどういう事だ?それに、涼香はどうなった?」

「涼香は無事だ安心しろ。我と入れ代わっただけなのでな。では話をする前に、お前の名前を教えて欲しいのだが」

 要はそれを聞き、ホッとすると涼香(バルロス)の問いに答える。

「なるほどな。それならいい。俺の名前は久瀬要だ。それで話って?」

「うむ。龍化の影響で涼香はショックを受けている。これでは、この先どうするか決めることが出来ぬ。だから、お前と話をした方が早いと思ったのだ」

「なるほど。そういう事か」

 そう納得すると要は、真剣な面持ちになり涼香(バルロス)の話に耳を傾けた。

「さて、なにから話せば良い?うむ。まずは、涼香の能力について説明せねばな」

 そう言うと涼香(バルロス)は少し間をおき話し始める。

「自分の体内に魔物や獣などを吸収し取り込み変身することが可能な能力だ。そして、その力を使うことが出来る」

「涼香にそんな能力が。だからバルロスを吸収したってことなのか?」

「うむ。そういう事になる。だが、自分の体内に我を取り込んだことで、今の涼香はその力を使うことが出来ない」

 涼香(バルロス)は右の手の平をみると、再び要の方へ顔を向けた。

「そうなると、涼香はこの先どうなるんだ?」

「ふむ。涼香は契約を結んだことで、我の力であれば使うことが可能だ。だが今のままでは、この力が強力すぎて使いこなせないだろう」

「じゃ、どうすればいいんだ?それに涼香は身体の一部が龍化している。このままじゃ普通に外を歩けない」

「そうだな。力の方は、コントロール出来るようになればなんとかなる。だが、確かにこの姿で外を歩くのは困難だろう」

 すると涼香(バルロス)は、どうしたらいいか模索し始めた。

「なにか方法はないのか?変装できるような能力とかは?」

「我にはそのような能力はない。だが龍の里にいけば、なにか手段がみつかるかもしれぬが」

 涼香(バルロス)にそう言われ要は驚いた。

「おい!ちょっと待て。龍の里ってことは、龍が沢山いるよな?そんなとこに俺たちが行ったら危ないんじゃないのか?」

「いや、その心配はない。龍の里と言っても、あくまで龍は山奥にしかいない」

「そうなのか。それならいいけど。それで、その龍の里って遠いのか?それと、どうやって行けばいいんだ?」

 そう聞かれ涼香(バルロス)は龍の里の行き方などを説明し、要がその話に耳を傾けていた。

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