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第二十一話

「……今日はどこか遊びに行くんですか? 一人なら、私と一緒に——」


「いえ、今日はこの後取材の予定がありますので、せっかくですが」


被せ気味に返答され、渡辺アミはむっとするが、すぐに気を取り直して俺の腕に体をすり寄らせてきた。


「そうなんですか……。残念です。でも珍しいですね。取材の時にはいつもスーツだったのに。

……今は待ち合わせ中なんでしょう? 

少しくらい積もる話を聞かせてくれてもいいじゃないですか」




周囲から見て俺はイケメンの部類に入るらしい。

周囲が判断するのだからそうなのだろうが、俺もそれ相応の見た目になるように日々気を付けている。


大学の時には伸ばしっぱなしだった髪も、社会人になってからは後ろで結いまとめ、清潔感を演出するようになった。


テレビ業界で働くということは、常日頃から人目を意識して行動しなければならない。


取材をする際にもこちらの印象が良ければ相手の反応は変わり、それは結果として現れる。


俺がテレビ業界で働いた経験からそれはよく分かっていたが、今日に限ってはその経験が邪魔だった。

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