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第二話

都内のとある事務所。


電灯が暗く陰気な部屋の一角には、麻雀牌(まーじゃんぱい)の散らばっているデスクで動画を編集しているスーツ姿の男がいた。


かつて日の丸テレビを背負うと期待された元TVプロデューサー。


世間を一世風靡(いっせいふうび)した人間。


社会の生存競争から取り残された敗者。


——つまるところ俺である。


俺の蒼瞳(ブルーアイ)にかかる前髪はセクシーな具合に垂らされており、女性社員がいれば一度は俺に視線を預けただろう。


しかし残念ながら、事務所には麗し(うるわ)の乙女が誰もいない。


せっかくの色男もこの職場では宝の持ち腐れである。


パソコンを見つめる俺の顔は真剣そのものだが、画面にはグラマラスな女が息を乱し、ゆっくりと男にねぶられている卑猥な動画が流れている。


ブロンドがかった茶髪を掻き揚げながら、俺は溜息をついた。


「全く……ただの操り人形じゃないか。AV女優がこれでは企画の良さが全く生かされん」


編集したデータを保存した後、パソコンの画面を閉じて2度目の溜息を吐いた。


壁にかかった時計を見ると17:30。
丁度退社時刻だ。

残業してまでこんなくだらない動画に時間を割かれるのはごめんだ。


鞄を持ち席を立つと、挨拶も適当に事務所を出た。

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