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05


ほら、やっぱり……。
 頭の固い課長の事だ。やるからには、妥協とかしないだろう。
 しかも、それを部下にも要求するから凄くめんどくさいのよね。

「……分かってますよ。それなりの人を捜してみるつもりです」

居ないだろうけど……イケメンなんて。
 いいもん。適当に理由をつけて断るから
そう考えていると眉を寄せて不満そうな顔をしてきた。

「馬鹿者。それなりとは、何だ?
 皆真剣に結婚相手を捜しているんだぞ。
大体今の若者は、何でも適当に済ませようとするから……」

 あれ?何だか課長の長い説教が始まってしまった。
これじゃあ、会社に居る時とまったく変わらないじゃない。
 何で婚活パーティーで私は、不知火課長に説教されないといけないのだろうか?やめてくれ……。

 人目も気にせずにガミガミと説教をされている。
何の罰ゲームだろうか?
 課長の小言にうんざりしていると司会担当のスタッフがマイクを持った。

「それでは、いい雰囲気になってると思いますが、そろそろ男女1人ずつペアとなり順番に質問タイムとさせて頂きます」

 た、助かった……逃げられる。
ナイスタイミングよ……司会者さん!

「それでは、課長。ペアにならないといけませんので失礼します」

 頭を下げてその場から離れた。
ふぅっ……やっと逃れられた。危ない、危ない。
 こんなところで叱られていたらチャンスまで逃すところだったわ。
 さて、気を取り直して私は、順番に質問を交換して行く。

「あの……趣味は?」

「はい。趣味は、ドライブです。
 最近新車で〇〇を買いまして。僕は〇〇も好きなんですが……」

 長々と車のうんちくを語りだす参加男性だった。
この人は……ダメね。
 身長・70。スタイル・50。ボイス・30。キャラ・20。
そして顔面・40。トータル500点中…210点か。

 うーん。顔が普通なくせに何、車を語っているのか。
カッコいい車なら女は、簡単に喜ぶとでも思ってるのかしら?
 無理ね。それを許されるのは、イケメンだけよ!

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