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ルシール・レンス・ナビアは、小国ーーナビアの第4王女で、ゆくゆくは王位継承権を放棄し、兄が即位したのち、叙爵して、兄の臣下として国を支えていくつもりであった。又、生涯の伴侶は望まず、一人で生きていくつもりであった。



「なぜまた手紙が…」

求婚の返事をした翌日、今度は私の書斎に直接手紙が届いた。届けられた…というより、書き物机に置いてあったのだが、侍従に確認してみても、手紙を書斎に届けた覚えはないとのこと。
不審に思いながらも、手紙を開いてみると、断りの返事を残念がる様子が窺えるも、今度のナビアの建国祭に参加するから、是非時間を作って欲しいとのことだった。

全然諦める様子が見えない。
時間って、アピールの時間って事よね。
オブラートに包みながらも、はっきり断ったはずなんだけどな…。
いや、私の考えすぎか。
とりあえず、皇帝の動きも見ながら、建国祭を無事にやり遂げなければ…。

時間は着々と過ぎ、ついに建国祭当日ーー。


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