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35話〜ガルドVS大虹色スミレ【挿絵】

 ガルドは更に洞窟の奥へと進んでいった。

(まだ。先みてぇだな………ん?気のせいか。何だか知らねぇが、誰かに付けられている気がするんだが。まさか、こんな所まで俺の後を付けてくる様な馬鹿はいねぇとは思うが……)

 そう思いながらガルドは更に奥へと進んだ。

(ガルド。やはり虹色スミレが目的なの?だけど、何故そんな危険を犯してまで、って、そういう私も。はぁ、何でこんな所まで付けて来ちゃったんだろう……)

 そう思いながらマリアンヌは恐々ガルドの後を追った。

 するとやっと最深部まで辿り着いた。

 洞窟の空洞の内部はガルドが想像していたよりも遥かに広く、、天井の割れ目の隙間からは微かな月明かりが差していた。

 そして辺りには、月明かりに照らされ、七色に輝く虹色スミレが咲いていた。

(これが、虹色スミレなのか。確かに見た目はキレイだ。だが、確かあの本には……)

 そう思いながら虹色スミレに近付いていった。

 すると虹色スミレは、何故かガルドが近付いて行くと怯えるように奥へと逃げていった。

(どういう事なの?確か、小さな虹色スミレでも凶暴だと聞いていたけど……。まるでガルドに怯えているみたいに逃げて行く。これって……)

 そう思いながらマリアンヌは中に入るのが怖かったので、遠くからガルドの様子を伺う事にした。

(どういう事だ?何で、俺が近付くと虹色スミレが逃げて行く?本に書いてある通りなら、襲ってくるはずだが)

 そう思いながらガルドは逃げる虹色スミレを追った。

 すると突然、大きな音をたて、ガルドの目の前に巨大な花が地面から這い出てきた。

「おいっ!?ちょっと待て!な、何で地中から大虹色スミレが這い出てくるんだ!!」

 そう叫ぶと、大虹色スミレはガルドの気配を察知し襲い掛かってきた。

 大虹色スミレは、長い蔦を鞭のようにしならせながら攻撃し、ガルドは剣でその蔦を切った。

 しかし、その蔦はみるみる内に再生し、またガルドに襲い掛かった。

 ガルドは剣で、何度も何度もその蔦を切るが、一向に埒が明かず、どうしていいか分からなくなった。

(クソッ!!何なんだこいつは……。だが、何処かに弱点があるはず)

 そう思っていると大虹色スミレは急に攻撃を止め、地中に潜った。

(……な、何が起こった?何で急に地面に潜ったんだ?)

 そう思いながらガルドは大虹色スミレの気配を探っていると、

(おい!?何で、こんな所に……)

 大虹色スミレの気配がする方に、マリアンヌがいる事に気付き、ガルドは慌てて助けに向かった。

 マリアンヌはガルドが何故自分の方に向かって来るのか分からず慌てて身構えた。

「おいっ!マリアンヌーー!!今直ぐその場から離れろぉぉぉーー!?」

 そう言われマリアンヌは、ガルドが何を言っているのか一瞬分からなかった。だが、自分の守りの水晶が光り出し地中を差し示した。

「これって、まさか!?」

 それを見て慌てて逃げようとした。だが、間に合わず、目の前に大虹色スミレが現れ、マリアンヌの身体を蔦で巻きつけた。

「イヤァァァーー!?」

「マリアンヌ!?クソッ!!」

 そう言うとガルドは大虹色スミレに体当たりをした。

 大虹色スミレは一瞬ひるんだがマリアンヌを蔦で巻き付けたまま、ガルドに粘液を吐いた。

 ガルドは咄嗟に避け、マリアンヌが巻き付けられている蔦の根元を切った。

 
挿絵


 マリアンヌは助かった。だが、マリアンヌはガルドが大虹色スミレに体当たりをした時に既に気絶していた。

「マリアンヌ。クッ、何でこんな所に……。ここにいるのは危険だ。だが、この大虹色スミレを何とか倒さねぇ事にはな」

 そう言うとガルドは、マリアンヌを守りながら身構え大虹色スミレを睨み付けた。

 大虹色スミレはガルドに照準を合わせ襲い掛かろうとしていた。

しおり