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27話〜マグドの偽名は

 ガルドとマグドは宿屋の部屋で話をしていた。

「ガルド、聞きたい事がある」

「ん?マグド、改まって聞きてぇ事って何だ?」

「お前は、これからどうするつもりなんだ?」

「どうするって?ん〜、そうだな。俺は訳あって、生まれ育った村にはもう帰れねぇし。だから、色んな所を旅をして歩くつもりだ。それより、お前こそどうするつもりなんだ。家出して家の者が探してるんだろう?」

「確かにそうだな。いつ家の者に見つかり連れ戻されるか分からない」

「マグド、聞きてぇんだが。何で家出なんかしたんだ?」

「それは……ガルドすまない。今はその事について話す事はできない。だが、時が来たら話す」

「そういう事なら仕方ない。まぁ、俺も、今はまだ言えねぇ事があるしな」

「言えない事って!お前、何かしたのか?ハッ!?まさか、他にも数人の女を何処かに隠しているとかか?」

「マグド……。お前、何を考えてんだ?はぁ、何で俺が女を隠す必要がある!それに、そんな事して何の得があるんだ?」

「いやな。現にお前は女性2人を連れ旅をしている。そんなお前なら、やりかねないかと思ったんだがな」

「あのなぁ。はぁ、まぁいい。それより、お前もギルド登録するのか?」

「そうだな。だが、登録するにしても名前をそのまま登録してしまえば、追手にバレてしまうかもしれんしな」

「確かに、そうだな。ん〜そうなると……」

 ガルドとマグドは話をしながら考えているといつの間にか、ユリィナとビスカが食事を済ませ部屋に入ってきていて2人の話を聞いていた。

「ふ〜ん、マグドって追われてるんだねぇ。なるほど……」

 そうビスカが聞くと、

「あっ、ビスカにユリィナ。戻ってたのか」

 そう言うとユリィナはガルドとマグドをみて、

「ええ、今戻ったところだけど。マグド、そういう事なのね。それなら偽名を使えばいいと思うんだけど」

「ユリィナ、なるほどその手があったか。だが、偽名となると何と名乗った方がいいかなのだが」

「そうだね。ん〜、そうだなぁ。オマウグ=ジド、何てどうかな?」

「ビスカ、なるほど。オマウグか、悪くないな」

「あっ、え?あ〜あのね。マグド、冗談のつもりだったんだけど、本気でその名前にする気なのかなぁ。ははは……」

「まぁ。いいんじゃねぇのか、あくまでも偽名なんだしな」

「確かにそうね。クスクス……。いいんじゃないかなその名前でも」

「ああ、せっかくビスカが考えてくれたのだからな」

「はぁ、まっいっか。マグドがいいなら」

「じゃ、しばらくの間はマグドの名前はオマウグだ。まぁ、何か言いづらい気もしねぇでもないがな」

「確かにね。でも、私達の前だけなら、マグドでいいんじゃないかな?」

「そうだな。俺はそれで構わないが」

「じゃ、マグドの偽名も決まったし、そろそろギルドに行かねぇとな」

「ああ、そうだな」

「ええ、そうね」

「うん、そうだね」

 そう言うとガルド達はギルドへと向かった。

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