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少し特別な管理補佐の創造

 今日も今日とてやってきた大量の漂着物を受け入れる。
 自然は適せん配置して、人は居住区画に案内する。人は注意事項の説明もあるので、その中では最も面倒な漂着物だ。
 それについて考えたれいは、そこを担当する管理補佐を創造することにした。最近は世界の消滅に伴い一気に流れ着いてくるので、小分けして案内する関係で結構な時間が掛かる。
 やる事は注意事項と案内だけだ。忠告を無視する者の間引きは任せてもいいし、れいが行ってもいい。監視と刑の執行程度なら遠隔からでも片手間で出来る。
 威圧するのは案内役を強くしておけばいいし、注意事項などの案内の内容は事前に伝えておけばいい。つまり、代役は可能ということ。
 れいとしても別に案内役に思い入れは無いので、代役が可能ならそうしようと思うのだった。
 漂着した者達を居住区画まで案内し終えたれいはそんな事を思いついたので、平原の一角でささっと管理補佐を二人創造して、知識と力を与えておく。案内役だけだと暇だろうから、荒事を任せたり、れいの代行として秘書的な役割に就かせたりしてみる。つまりはれいの代わりの何でも屋というわけだ。
 そういう役割なので、創造した二人の能力はかなり高い。具体的には、ハードゥスを管理しているれいの現在の力を一割ほど分けて一人ずつに与えている。これはハードゥスの他の代行が束になって、片方とやっと同等ぐらいという強さ。
 そんな二人は、創造して直ぐにれいへと絶対の忠誠を誓った。秘書として扱う予定なので、れいは有用無用問わず雑多な知識を与えたのだが、どうやらそこから引っ張り出した答えらしい。
 れいとしては、たとえ管理補佐全員に反旗を翻されても問題ないので、そんなことは気にしないのだが、だからこそ好きにさせておいた。
 それからは二人に案内を任せる。れいの経験も知識として与えているので、問題はないだろう。漂着した人を任意の場所に誘導して漂着させる権限も与えておいたので、そちらは完全に任せることになる。無論、れいによる監視は常時行われているが。
 後は二人に名前を付けて、二人のことを他の管理補佐達に共有させて完了である。そういうわけで、二人に任せてれいは見回りに出た。その間に他の漂着物の配置を考えなければならないのだから。
「………………配置を変えてもいいかもしれませんね」
 一気に流れ着いてきたのでかなりの量になった漂着物に、れいは移動しながら小さくそう呟いたのだった。

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