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平民への1歩

 お父様に宣言して私は部屋に戻って来た。
「あぁは言った物のまず何から手をつければ良いのかしら······」
 冷静になって私は今後の計画を考えた。
「まずは家事は出来なきゃダメよね、メイドに教えてもらいましょう。それから料理も覚えないといけないし······」
 紙に平民になる為に出来なければいけない事を書いていく。
 ······結構やらなければならない事が多いわね。
「まずは······、部屋の整理から始めようかしら」

「失礼します、お嬢様。部屋の清掃に······、って何やってるんです?」
「見ての通り、クローゼットを整理しているのよ」
 私はベッドの上にクローゼットの中から引っ張り出した服を『いる』『いらない』の箱の中に入れていた。
「平民になるんだったらドレスなんていらないし、派手な服なんて着たら目立つでしょう」
『いらない』の箱には昨日着たドレスを含めた服が入っている。
「お嬢様、いらない服はどうするおつもりで?」
「捨てるわ」
「それは勿体無いですよ、ドレスには宝石が散りばめられていますし材質だって良い物を使っております。捨てるなんて言ったらそれこそ貴族の考えですよ」
 メイドからの指摘にウッとなった。
「じゃあ、どうすれば良いのよ」
「売るんですよ。ドレスなんかは高値で売れますよ。派手めな服だって無駄な装飾品を取ったら着れますよ」
「それは考えていなかったわ······、って言うか詳しいわね」
「私の実家も貧乏で節約しながら暮らしていましたから」
「そういえば、貴女の家は男爵家よね?」
「はい、男爵と言ってもかなり下の方ですから」
 私は暫し考えてから言った。
「貴女にお願いがあるんだけど······、私の師匠になってくれない?」
「私が、ですか?」
「えぇ、私は将来平民になるから、1人で何もかも出来るようになりたいのよ」
「······わかりました、お嬢様にシュウカツを提案したのは私ですから責任を持ってお嬢様を立派な平民になる様に教育いたしましょう」
 こうして私に師匠が出来た 

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