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雑事2

 指導が終わった。二十全てが一緒にどころか半分も一緒ではないが、それでも八つは同時に終えることが出来た。
 例の如く創造主より要請が来たが、今回は指導が終わる少し前だったので少し困ってしまったものの、ギリギリ間に合っただろう。
 管理者は、指導を行った管理者と指導を受けた管理者に次の指導を頼む。指導を受けた管理者は復習も兼ねているのでほぼ強制ではあったが。
 足りない分は自身を増やし、管理者は次の指導に移る。それと並行して、指導を終えて安定した世界の管理者の居る世界に招待状を配っていく。つまりは交流の場への直通の道。といってもそんなに大層なモノではなく、二点を繋いでくっ付けるだけだ。所謂転移というやつ。
 配った時に説明も行い、しっかりと理解してもらう。まぁ、今後の管理運営のための交流の場というだけだが。
 その辺りが浸透すれば、指導後にそれも説明してくれるように頼む事も出来る。転移の起点など管理者なら誰でも当然のように設置できるのだから。
 それはそれとして、もう少し指導のシステムを完成させたいところだと、管理者は頭を悩ます。最終的には、管理者が創造主から受けた要請をそのまま流すだけで動いてくれるようになってほしいところだ。
 他の諸々の細かな調整は大分進んでいるので、指導の方のシステムさえ上手く回れば一息つけるようになるだろう。
 ペットの方は、三匹目はまだだ。兆候はあるがまだ形になるほどではない。
 ラオーネとヴァーシャルについては仲良くやっているようだ。といっても、あまり近づこうとしないので、交流がほぼないだけだが。
 管理者が管理している最初の世界については、かなり発展している。まだまだ旺盛なようで、今後も発展は続きそうだ。
 服や食や技術など生活が随分と豊かになった。それに伴う問題も出てきているが、その辺りは管理補佐達が良くやっている。
「………………」
 そこで管理者は、ふと自身の姿に目を向ける。薄緑色のジャージ姿。自身の世界のみならず色々な世界を観てきたが、発展に伴い住民の服装も随分と華やかになっていっていた。
「………………」
 今まで観てきた華やかな姿と比べて地味な自身の姿。他の管理者もお洒落をしている者が多い。
 管理者は少し考え、もう少し華やかさがあった方が威厳が出るだろうかと思案を巡らす。相手に委縮させても駄目だが、嘗められても困る。であれば、多少は服装にも気を使うべきなのであろう。
 そう答えを出した管理者は、早速自身の管理している世界の服装を参考にしてみる事にした。

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