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拡がる世界

 分身体をそのまま残してその世界の管理は継続する事にして、管理者は指導の方にも注力する。創造主に呼び出されている間も、しっかりと指導は続けていた。
 環境が整い、次の段階も大分落ち付いてきた辺りで、また創造主から次の指導を命じられる。
 それを受け、管理者はまず指導を任せている教え子達の様子を確認してみる事にした。自身が全てを一手に指導している場合は、足並みを揃えるための調整は容易に出来るが、教え子達の方とだとそれも難しい。
 もっとも、創造主が創造した次なる世界の数は五つらしいので、管理者以外が遅れていても何ら問題はないのだが。
 管理者は、自身が指導している管理者への指導を区切りがいいところまで進めつつ、他の世界の進捗状況を確認していく。そうすると、どうやら今すぐ復習として指導に回れそうな世界は無いようであった。ゆっくり指導しているというよりは、これは指導することに慣れていないせいだろう。
 無理そうならばしょうがないかと諦めた管理者は、分身体を増やそうとして止める。
 そろそろ最初に指導した世界は管理者が見守らなくても大丈夫そうだと判断したので、今教えている管理者とは別にそちらの分身体を次の指導の世界へと回すことにした。あぶれた三体は本体に戻す。
 そうして次の指導を始めながら、管理者はそろそろ自分が指導に赴かなくても、前の世代や更にその前の世代辺りの管理者の復習として指導に当たらせればいいだろうと考える。保険として三代もしくは四代前まで遡れば、指導要員としての管理者は確保出来るだろう。
 つまり、現在の世界の指導が終われば、そのシステムがほぼ構築可能という事だ。後は各管理者達で相談などの話し合いが出来るように、管理者が集う交流の場を設ければ何とかなるだろう。
 そのためには、小さくてもいいので何処かの世界を確保していた方がいいだろう。可能であればそれ専用の世界を。
 管理者はその事を説明して、創造主に新たな世界の創造の許可を求める。別に許可を求める必要はないのだが、一応創造主ではあるので形式として。
 しかし、それに対して創造主からの許可は下りなかった。少し前にペットを飼育する世界を創造する許可を取り付けたばかりなので、そのせいだろう。
 しょうがないので無断で世界を創造しようかとも考えたが、やめておいた。それならば、既に創造してあるペットの飼育用の世界を利用すればいいだけだろう。あの世界は管理者が独力で創造した世界なので、全て管理者の自由につくり変えることが出来るし、それにペットの飼育以外には使用用途も無かったので丁度いい。
 そういう訳で、そちらの世界を改造していく。まずは世界を拡げて場所を確保する。
 その後にペットが立ち入れない区画をつくり、そこに管理者達の交流の場をつくっていく。今後も数が増えていくと予想されるので、確保する場所はかなり大きい方がいいだろう。
 後はその場所に直ぐに移動できる方法を構築すれば完成。管理者達の交流の場が出来れば、今後は各管理者が独自の世界を構築していけるだろう。そうすれば手も掛からないし、様々な世界が楽しめそうだ。
 そういった諸々を構築していきながら、管理者は指導を進めていく。その途中で、教え子達に任せていた指導が段々終わっていく。終わった後は自分の世界に戻るだけなので、次の指導までは各自の世界の管理に集中させておけばいいだろう。
 教え子からの指導が終わった管理者には、事前に復習として次は指導する側に回る事を通達しておき、準備をさせておく。
 指導している世界が安定してきたところで、創造主から次の指令が下りてくる。次の世界はなんと全部で二十も在るらしい。
 一気に増えたなと呆れながら、第二世代から第四世代までの十九人の管理者を総動員して指導に当たらせる。足りない一つは管理者が埋めた。
 全ての管理者が一人一つの世界を担当するという事で、管理者にも大分余裕が出来てきていた。元々指導はそれほど大変でもなかったが、教育システムの構築の第一歩として考えればこの余裕も意義があるのだろう。
 問題ないとは思うが、一応全ての世界を見守っておくのも忘れない。これで何か起きても対処は可能だろう。当然ながら、何も起きないのが望ましいが。

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