その少年には、名前も、言葉も、居場所もなかった。
鉄と血の檻。
そこにいたのは、人ではない。
ただ、生き延びるために殺し続ける“獣”だった。
だがある日、世界は彼を“召喚”する。
期待された勇者などではない。
選ばれた者でもない。
それでも彼は、呼ばれてしまった。
――そして最初に殺したのは、召喚した者だった。
魔術師は沈黙し、城は封鎖され、都は混乱に包まれる。
騎士たちが奔走する中で、誰も気づかなかった。
“異物”はまだ、そこにいる。
ただ静かに、次の「生き延びる場所」を探して――
やがて彼は出会う。
自分を「人間」として扱う、たった一人の存在に。
この出会いが、
千年を超えて閉ざされた時を動かすことになるとも知らずに。
これは、“名前を持たなかった少年”が、
世界に抗い、“誰か”になっていく物語。
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