べにさし

(ベニサシ)

よろしくお願いします

  • 噤みの森  外部URLを開く

    べにさし

     遥か未来、地球から移住した人類の分派が、その星の上に築いたのは、獣が荷車を牽き、風が帆船を走らせ、川が水車を回す原始的な社会だった。その社会には、魔法使いと呼ばれる異能者たちが存在し、断絶した先史文明の知恵を補完するような役割を担っていた。そうした世界の一隅で。

    〔前編〕
     旅人は、故郷を襲った『災い』を背負っていた。正体不明のその重荷を明らかにするために、賢者と言われた魔法使いの名を求め、遠く、旅立ったのだった。
     山麓の森には魔法使いが住んでいる。そんな噂の立つ森に、もっとも近い宿場町に到着した旅人は、曰くありげな一本の杖を手に入れる。不穏な杖を道連れに、はるばる臨んだ噂の森で、珍事にたびたび遭遇し、命からがら、戸惑いながら前進する。そうしてついに、人里離れた樹海の深奥。隠れ住まう魔法使いたちの土地に辿り着く。旅人はあるじに問いかける。背負った重荷の正体を。あるじは確かに答えてくれたが、それは事実であって真実ではないとのちに知り、困惑する。思いも寄らぬ真実を、旅人に突きつけたのは、匂い立つような美貌の魔女。月下に佇む、その瞳だった。

    〔後編〕
     魔女が突きつけた真実。思い知った旅人は、すべてを受容し、前を向く。その眼差しが見つめたのは、樹海の深奥に隠れ住まう、賢者と言われた魔法使いの存在。疑問をいだく旅人に、一冊の写本が示される。いにしえの言葉。そこに窺えた造詣に、散らばる疑問の結び目をみる。あるじの誘いを受け、近傍の宿場町へ。観光がてらの訪問だったが、花屋の見える町角で、唐突にあるじが語りはじめる。百年前の出来事。それは一人の魔法使いが、賢者となった昔話。耳を傾け、事の重大に打ち震える。樹海に秘められた禁忌の足跡。新月の森と緑の光り。導かれ、旅人は辿る。襲いかかる爪と牙。放たれる魔法の一矢。立ち現れた、巨大な龍。そうしてついに、賢者の扉がひらかれる。その彼方に眠っていたのは、旅人にとって、神のみぞ知る力だった。「わたしは見てみたい。この星の上にひろがってゆく、あなたの世界を」。

    0クル

    カテゴリー内順位1595位 / 6,703件

    ジャンル内順位952位 / 3,387件

    (0)

    舞台
    地球外
    主人公の性別
    主人公の年齢
    30代
    主要登場人物の属性
    魔法使い/魔女
    動物
    その他の要素
    ドラマチック
    シリアス