ここはまた、私が帰りたくなる場所だろうか。

練井恵

一人でいるとき、私は不安な気持ちになったり、最高のプレゼントだと感じることは多々ある。でも、自分一人でも、この世界に戦いを挑まなければいけないものだと思うことが、この頃の感じ方だ。街を歩いているとき、素直になれることも最近は滅多にない。でも、いつの日か笑顔でいられればいいなと、いつの日かそんな自分を発見することもあるのではないかとも前向きな姿勢でいる。この世の中では巨万の富を有している人たち、若しくは路上で生活をしている人々、様々だ。でも基本的に言って世界にはどんなに価値のある宝でさえも、一人の人間の崇高な理想や夢や、ロマンには到底敵わないことだと、私は最近になって初めて実感した。いつの日か私も死ぬことになるのだし、せめて正直に自分の理想を追い求めて生きたいと、心から思う。この独白にも似た小説は私の幻想が産み出したものだし、世界はその曖昧模糊とした生命体が作り出したものだと誰しもが理解するだろう。私はそう願っている。

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