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「ほら、やらない。
出来ないより、やらない方が悪いんだよー」
「うー
とりあえず、家事は全て瞳に任せるよ」
「ほらねー
そしたら、私、彼氏作れないじゃん」
「うぅ……」
「だ・か・ら
アンタが結婚するまで、彼氏は作れないの!」
「僕が結婚しなかったらどうするの?
瞳も、ずっとおひとりさま?」
「そうなるね。
でも、結婚願望がない訳じゃないよ?」
「いい人が出来たら結婚してね?」
「……うん」
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
「あ、予鈴のチャイムだ!
急ごう!」
僕は、そう言うと下駄箱に靴を直した。