69
「あと、卵焼きもあるよ」
瞳は、そう言って卵焼きを乗せた皿を僕の前に出してくれた。
「ありがとう」
「いえいえ」
そのまま手で食べやすいように卵焼きは、食べやすく切られていた。
こういう所には気を使ってくれるんだよね。
「ん?どうかした?」
「いや、瞳はいい奥さんになれるなーって思ってね」
「な、何よ、突然……」
「いや、なんとなくね。
そう、思った」
瞳は顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにうつむいた。
「て、照れるじゃない……」
「顔が真っ赤だよ?」
「う、うるさい…」
孤児院の時から一緒にいたから、わからなかったけど、こうしてみると瞳って結構可愛いかも知れない。
菊池が羨ましがるのもわかる気がする。