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雑談

勉強会をしてドキドキして心臓が持ちそうにもなかったとき

「休憩しようか」
と、由真が言った。すると顔を隠していたあみが手をとって話し始めた。

「そうだね。どんちゃん教えるの上手だね。授業でわかんなかったところも理解できたよ」

そう早口で言った。動揺としていることがすごく伝わってきた。
俺だけがドキドキしていたわけじゃない。
好きではないかもしれないけど、ちゃんと男して見てくれてるんだって思った。

それから休憩の間ちょっとした雑談になった。
それは、女子トークいわゆる恋バナだった。
女子って恋バナ好きだよな。

「ねえ、由真はどんな人がタイプなの?」

あみがそう聞く。

「そうだね。私と趣味があう人かな。絶対にいないと思うけど」

「由香は?」

「私は、優しくて、面白くて、まあ同級生がいいよね」

そう、女子はそういう妄想が好き。くだらない。

男なら普通そう思う。だけど、俺は違う。それは、あみのことが好きだからだと思う。
俺は・・・俺は・・・俺も聞きたいことが・・・それは・・・あみは、どんな人がタイプなのかな。

「あみさんは?」

「え?」

顔をあげるとあみがきょとんとしていた。
思っていたことが口に出ていたみたい。

「え?いや・・・あの・・・」

かなり動揺した。恥ずかしすぎるぐらいに。

「うーん、うちの好きなタイプは・・・」

俺は期待した少しでも俺に当てはまればと思った。

「タイプは、優しくて、かっこよくて、でも少し残念なところがあってもいいかな」

かなわない。俺はそんな完璧な人間ではないから。

「残念なところって?」

由香がそう聞くとあみは悩みながら

「残念なところって言ってもね、喜怒哀楽がある人。喜びはもちろん、怒ってくれる人もいれば、悲しんでくれる、感動してくれる。そんな感じかな」

少し照れながら言った。好きな人がいるのかな。
俺に入るところなんてないのかな。

「どんちゃんとかは?」

優樹菜が面白がったのかそう聞く。

「どんちゃんのことはまだよくわかってないからね」

だよね。俺は、もう逃げたくなった。でも、そのあとあみがこう言った。

「でもね、どんちゃんは優しくて、かっこいい、喜怒哀楽はわからないけど、それだけはわかったかな。」

やっぱり好きだ。あみのことが。
いつか好きになってほしい。

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