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第三十二話

「それでは大作戦第3話ですが、これはアイドルとしての非常に大事な訓練となりますから、山で合宿を行いますわ。明日からの二連休を有効活用いたします。」

「ずいぶんといきなりな展開だわね。まあ、ここまでうまくいってるようないかないような感じだけど、下女の言う通りにするわ。・・・そ、それと、きょ、今日はありがとう。」

「お礼?オレは何かしましたか?」

「た、た、助けてくれたから。こ、こんなこと、地球がサルの惑星になったって、あり得ないことなんだからねっ!」

「いや地球って、いつかはサルが支配してしまう可能性はあると思いますわよ。」

「そんなことはどうでもいいの。この話はこれでやめっ!」

「楡浬様。暴漢に襲われてちょっと疲れたのではありませんか。」

「そんなことないわよ。下女のバカ!玉名市!」

「そんな屈辱的な言葉は許しませんことよ。その市町村にも失礼ですわ。」

「もういいわ!」

 楡浬は少し涙ぐみながら家路にトップ独走するランナーとなった。

「大悟の能天気バカ。本当に嬉しかったんだから。」

 本当の気持ちは、モノローグとなるのが、ツンデレ女子の悲しい性である。


モヒカン集団の逃げ去る姿を眺めている者がふたりいた。ひとりは長い髪で顔が隠れていて、表情は見えなかった。もうひとりは長い髪の陰に隠れている。

「失敗しましたわ。あんな連中では、とても倒すのは無理だったみたいですわ。別の手を考えないと。」
 その者は髪を少し強い風に揺らしながら、いずこかへ消えていった。
 

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