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「結衣ちゃん!私やっぱりこの人が好きだわ」
テレビに目を留める九瑠璃(くるり)
「また才田さんの話?もう私たちの大学を卒業されて3年だったけ?私らが高校一年生の時に学園祭に遊びに行った時からずっと言ってるね」
「結衣ちゃんのばぁちゃんがみたら何て言うかなぁ?弁護士早く私もなりたい」
「まだ私達一年生なのに気が早いよぉ。。翔音(かけね)ばぁちゃんやら、才田さんにドツボね九瑠璃は」
「坂木の名が泣いとるぞー」
「急なおばあちゃんのモノマネは良いから、翔音ばぁちゃんもショートカットだったね」
「うん。私が翔音ばあちゃんに寄ったんじゃないよ。結衣は相変わらず長いよね。てか巫女になる人がこんなだとは世間も様変わりよねぇ」
「髪はねー考えるのが面倒なのよ。弁護士は人を責めることしか出来ない訳?」
「そうかもしれない」
「いやいや、弁護するのが仕事でしょ。で、才田さんになんかあったの?」
「そういえばそうか。廻子(めぐりね)さん勝訴したんだけど、女性による女性の弁護への価値を言ってるのがちょっと流れたのよぉ。。。凄いわぁ。まだ25歳。ピッチピチね」
「ピッチピチなのはアンタの思考よ」
「あの顔見る限り老けて無さそうだったけど、、、」
「そういう話じゃ無いのよ。アンタはホント世間知らずなんだから」
「巫女がそんな言葉遣いはいかんと思うよ」
「アンタの巫女じゃない。確かにばぁちゃんから常々やらされてきたけど。。」
テレビにかぶりついていた九瑠璃は余韻も冷めて、パンにかぶりつく
「長(おさ)くんもうそろそろ来るんじゃない?」
「ぁほぉぢゃっぢゃ」
「パンを食べてからで良いから、、、」
「なんとなく伝わるかなと思って」
「あっそうだったなら、伝わってる」
「ほい。キター」
「長くんの前ではちゃんとするんだよ」
「私には廻子さんしか見えん!!」
「長くんはそういう所が好きって言ってたけど、ホントにこれで良いのやら?」
「長氏が良いと思ってんだからそれで良いのよ」
「またふざけて、、今月の家賃まだ貰ってないから、帰りに銀行から下ろして来てね。」
私たちは二人で部屋を分け合い二人で暮らしている
「はーい。結衣はチルにワンウェー?」
「見知らない人だったり、同級生が聞いたとすると、色んな意味の解釈がありそうね」
「あー確かに。智留と王偉(わんうぇー)でチルしてきて」
「明らかに違う意図を感じるわ。。」
「ゴーウェイよ」
「まだいかないです。」
「あっ長氏もう近くまで来てるって」
「いってらっしゃい」
「そんなに九瑠璃さんと居るの嫌かなぁ?」
「嫌じゃないけど、長君に少しは気を遣いなさい。」
「はーい」
「本当にアンタは当てつけたり勝手なんだから」
「ママか!!」
「同級生じゃ!!私の方が誕生日遅いしね」
「じゃあいってきます」
「誕生日私の方が後なんだからねぇ」
「はーい」
やっと行ったかぁ。あの子本当に素直だけど危うさがあるのよね。亡くなった翔音おばあちゃんもイレギュラーだとか言ってたし、北海道に来る前の沖縄で何かあったのかしら?まぁ良いや。ここ東京で学生生活を謳歌しなきゃね。九瑠璃は家を出て駅の方にゆっくり歩き出す。
長の姿を見つけると小走りになって駆けて行く。
長は少し恥ずかしく思いつつ早足に変える。
「よぉウィンガーディアム」
「せめてレヴィオーサの方だろ」
「浮け!!この野郎!」
「そのノリやるならレヴィオーサまで続けて言いなさい!浮かないけど、、」
はははと九瑠璃が笑うので、長も合わせて笑う
「てかあれも読んでたんだね」
九瑠璃が笑いながら話す
「一度ぐらいは触れる作品じゃん」
「それもそうか。で今日はどこ行くの?」
「天気も良いし京浜公園なんてどうかな?」
「良いね!日向ぼっこしながらのんびりしたい」
「じゃあ行き先も決まったし、飲み食い出来る物でも買ってくか」
「結衣に家賃払うのまだだから、銀行も寄って良い?」
「おう。もちろん」
長は笑みを浮かべたまま九瑠璃を少しリードし、やっと同じ方向へ二人はぎこちない足並みで歩いていく。

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