第13話 翔らの決意
再び南部の大臣に批判されたとき、悠の後ろに和服を着た女性が現れた。
南部大臣:
「おい、誰だその女。」
悠:
「彼女は俺の武器の一つです。」
悠の後ろに現れた女性を悠は自分の武器であることを告げた。
南部大臣:
「武器だと?ふざけるな!そんなわけないだろうが。」
謎の女性:
「ねぇご主人、やっぱりあいつやっていい?一つ一つの発言がむかつくわ。」
悠:
「だめ。当然の疑問だ。初めて見たんだから。」
悠は椅子から立ち上がり、
悠:
「こいつは正真正銘俺の武器、『桜』です。おいで。」
悠の言葉に答えるように、和服を着た女性は艮との戦いで使っていた双身刀へと姿を変えた。2階席にいた大臣たちが驚いている中、
悠:
「ご理解いただけましたか?俺の武器は特別製で人間の形に変わることができるのです。ありがとう。」
双身刀は和服の女性の姿に戻った。
悠:
「じゃあ、会議を続けよう。千代さんの意見も聞かせてください。」
千代:
「えぇ、わかったわ。」
悠:
「では、今後の師団員の育成から。」
会議は日が落ちても続いていた。
一方その頃、艮襲撃後から会議の参加せず、途方に暮れていた。
向日葵:
「まさか悠が第1の師団長だったなんてね。気づかなかったわ。」
千秋:
「そうですね、そんな素振り見せてこなかったですものね。確かに、実技は優秀でしたがあそこまで強いとは思いませんでした。」
向日葵:
「翔、ショックなのはわかるけどいつまでも下を向いてるんじゃないわよ。」
京子:
「そうだよ翔っち、寂しいかもしれないけど。」
翔は振り絞った声で
翔:
「違う・・」
向日葵:
「え?」
翔:
「違うんだ。確かに言ってくれなかったことは悲しいよ。でも、悠のことをちゃんと見れなかったあいつに手を差し伸べれなかった。そのことが悔しいんだ。」
向日葵:
「翔・・」
翔:
「あいつが学校に来なくなった日の前日に俺は会ってたんだ。その日の別れ際、悠はさみしそうな顔をしていた。」
翔:
「俺は、あいつの本音が知りたい。あいつのことをちゃんと理解してあげたい。」
向日葵:
「それについては私たちも同意見だよ。翔、明日第2に行こう。」
翔:
「あぁ、行こう。」
翌日・・
翔らは氷室師団長がいる第2師団の基地へと向かった。基地へと着いた翔らは手続きを済ませ、基地の中へと入っていった。
氷室:
「おう、来たなお前ら。」
氷室が翔たちを出迎えた。
女性秘書:
「師団長、出迎えは私がやるって言ったじゃないですか。」
氷室:
「寧々か、俺の客だからいいだろ。」
女性秘書:
「よくないです。すみません、第2師団副団長兼師団長秘書の綾辻寧々(あやつじねね)です。」
寧々:
「こちらにどうぞ、部屋に着くまで少し見学していってください。」
翔:
「ありがとうございます。」
寧々に案内され翔たちは基地を少し見学していった。
氷室:
「本当に寧々は細かいな。悠を話すときは緊張するのに。」
寧々:
「今はいいじゃないですかそのことは、もう部屋に着きますよ。」
翔らはある部屋に通された。
寧々:
「ここなら誰かに聞かれることはありませんからそれでは私はこれで。」
氷室:
「さてと、聞く覚悟はできたってことでいいんだな君たち。」
翔:
「はい、そのためにここに来ました。」
氷室:
「わかった、なら話してやるよ。あいつの過去をな。」