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二話 ゲーム

『日本、アメリカ、EU、インド、ロシア、韓国、中国、エジプトの各国の基地が対象です。そして早速、ゲームをします。
これから始まるゲームは北極のどこかにいるローバーの奪取です。ローバーは三日後出現し、三時間ごとにローバーの発信機が電波を出します。ローバを奪取した基地は次のゲームで有利になる物を送ります』
9000HALは淡々と話した。

『なんなんだよ……おい!堀越帰還ロケットを見に行くぞ』
古代さんは動揺している。

『無駄だよ古代。あの赤い点のやつの言うことは本当だよ。今、ロケットを見るカメラで見てロケットはもう使えない。お手上げだよ』

『それでも!行くんだよ!』
古代は完全に混乱していた。

『え?どゆうこと?ねえ!みんな!』
愛梨が不安そうに皆に聞く。

『どうやら僕たちは小説で良くあるデスゲームを仕掛けられたみたいだね。ここは落ち着いて状況を整理しよう。助かるものも助からなくなってしまうからね』
鴻鳥さんが冷静に答えた。

『ああ、で、どうする。まずは国際協定を利用して近くのロシア基地、韓国基地に協力をしようと提案したら』
古代の話しに堀越が割り込んだ。
『それは無理だと思うな。僕たちは今殺し合いを強要されているんだ。あっちに会いに行ったら争いになるよ。ここはどうやって例のローバーを見つけるかじゃないのか』

『そうだね。堀越の言う通りだと僕も思うよ。じゃあ、ローバーを見つけるにいい方法を考えよう』
鴻鳥はみんなに目を合わせる。

『はい!私わかった!ローバーが出る前に北極の真ん中で待機して電波が出たらそこに向かって行く!これでみんな大丈夫だね!』愛梨は元気よく答えた。こんな状況なのに冷静どころかいつも通りに元気なんて。

『若田はなんか案無いか?』

『え、あ、僕、僕はまだ何も』
急に質問されても答えが浮かばない。アイドルの愛梨ですら答えられるのに自分が答えられないのが辛い。

『あ、俺わかった。この前各国の基地の状況と各国有人ローバーの場所を共有しているシステム見たぜ。そこから二つのローバーの移動の進行方向を調べてその二つが重なったところがローバーの正確な座標じゃないのか?』
古代が妙案を言った。

『いいねそれにしようか。さっ早速準備しよう。堀越は電波を受信する準備を、古代はそのシステムの確認、僕と他のみんなは基地の修理をしよう』


僕と愛梨は通路を歩く、リビングの隣にあるキッチンを抜けようとしたが、キッチンからシャワー室に向かう扉が動かなかった。
どうやら揺れで安全装置が作動したようだ。僕は扉の下にある解除スイッチを押す。

『……」

扉は反応しない。もしかしたら電源が落ちたのか?
「あの、愛梨さん扉の上のハッチの中にある電源ボタン押してくれますか?」

「え、そう!わかった!」
彼女は背伸びしてハッチを開け
「カチャ」
電源スイッチを押す。

僕は解除スイッチをもう一度押す。
「シュー」
扉がいきなり動き出した。

「きゃあ!」
僕は愛梨の驚いて彼女の方を向く。
目の前にはもう彼女の胸が直ぐそこにあった。そのまま彼女の顔を押される形で壁にぶつかった。
彼女の体からの体温と胸の柔らかさで顔は痛くないが、後頭部は鉄パイプに当たり痛い。
「イタタ〜あ!若田くん!大丈夫!」
愛梨は慌てて体を起こした。彼女は僕を心配そうに見る。

「大丈夫です」

「そう、よかった」

「大丈夫ですか?二人とも」
鴻鳥さんが僕たちを心配してきた。

「あ、鴻鳥さん、ただ単に私が若田さんに倒れちゃっただけなので、若田さんも私も怪我ないから大丈夫」

「あ、おう、わかった。気を付けてね二人とも」
鴻鳥さんは僕たちの様子を見て驚いていたが。元の方へ帰って行った。

この後はみんなで基地を治し、三日後の準備をして終わった。
















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