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 昼過ぎ、飯を食っていたら、あのアホ貴族が冒険者を20人ほど連れてやってきた。またかよ……。また、偉そうに馬の上で踏ん反り返っていらっしゃる。

 幸いなことにジュノとマルゴはいなかった。ほっとする俺。


「○×▲◆~~▽! 」


 何か言っているが、なんとなく意味はわかる。しかし俺は学んだのだ。

 俺は申し訳なさそうな表情を作り、ランカスタ語でゴメンナサイと言いながら土下座した後、再度ゴメンナサイと言いながら金貨5枚を懐から出した。

 アホ貴族がちょっと不服そうな顔をしたので、もう5枚追加で出した。

 とたんに上機嫌になった様子のアホ貴族。同じ手に引っかかるのかい! と心の中で突っ込んだ。アホ貴族は冒険者達を連れて、森の方へ立ち去って行ったのだった。

 アッシュを抱っこしながら、彼らを見送っている俺の頭の中では、なぜか『ドナドナ』が無限リピートで再生されていた。アッシュがもの悲しげにクーンと鳴いた。

 南無阿弥陀仏。せめて生きて帰ってきてくれ。


 アホらし。どうでも良くなった俺は、昼食の残りを食い始めたのだった。

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