121章 アヤメの長時間睡眠
アヤメは目を覚ます。睡眠をとってから、1時間くらいが経過していた。
「ミサキちゃん、ありがとう」
アヤメは眠たそうにしている。慢性的な睡眠不足のようだ。
「どういたしまして」
おなかがすいていなかったので、おおらかな気分でいられる。空腹時であったなら、眠っている女性を強引に起こしていた。
「ミサキちゃん、布団を借りてもいい?」
「いいよ」
アヤメは大きな欠伸を繰り返す。
「14時間以上は睡眠をとるつもり。しっかりと体を休めて、明日からの仕事に備えたい」
1日は24時間なので、14時間は1日の60パーセントにあたる。爆睡することによって、体の状態を取り戻そうとしている。
「アヤメちゃん、家で休んだほうがよかったのでは・・・・・・」
「ミサキちゃんに会いたかった。それだけの理由で、ここにやってきた」
アヤメは布団に向かった。足取りはふらついていて、とっても危ないように感じられた。
「アヤメちゃん、肩につかまって」
「ミサキちゃん、ありがとう」
アヤメの歩幅に合わせて、ゆっくり、ゆっくりと進んでいく。無理をさせないように、細心の注意を払った。
アヤメは布団の近くに来ると、ミサキから体を離した。
「ゆっくりと睡眠をとらせてもらうね」
布団の横になると、あっという間に眠ってしまった。