113章 営業開始
勤務開始時刻になった。ミサキは注文を取るために、お客様のところに向かった。
朝一番にもかかわらず、30人近いお客様が座っている。開店直後にもかかわらず、焼きそば店は満席となった。
ミサキは外のお客様を確認する。30~40人くらいの男女が、店の前に列を作っていた。店の中を合計すると、開店前に60~70人が並んでいたことになる。通常の焼きそば店にしては、破格の人数といえる。
ユタカは水をてきぱきと、一人一人のお客様に渡していく。数日目とは思えない、仕事ぶりである。以前は他の飲食店で働いていたのだろうか。
4番テーブルのお客様から、焼きそばの注文をされた。
「ミサキさん、塩焼きそばを5人前」
4番テーブルのところに、し5という数字を書き込む。
5番テーブルから、焼きそばの注文が入った。
「ミサキさん、焼きそばを7人前」
5番テーブルのところに、や7と記入する。
6番テーブルから、注文を受ける。
「ミサキちゃん、ビール6人前」
6番テーブルの欄に、ビ6と書き込む。
7番テーブルから注文が入った。
「ミサキちゃん、塩焼きそばを5人前」
7番テーブルのところに、し5を書き込む。
8番テーブルから注文があった。
「ミサキちゃん、焼きそばを4人前」
8番テーブルのところに、や4と記入する。
ミサキは注文票を、ユタカに渡した。
「ユタカちゃん、お願い」
「わかった。これから作ってくるね」
ユタカは注文票に書かれた、商品の数をチェックすると、厨房に下がっていった。