129章 おもてなし
家にやってきた女性に対して、「セカンド紅茶+++++」を提供する。紅茶であるにもかかわらず、ほのかな甘みを特徴とする。砂糖を投入していない状態で、ヨーグルトに近い味わいを感じられる。渋みを感じることはほとんどないため、マイルドな味を楽しむことができる。
ココアはカップに入った、「セカンド紅茶+++++」を口にする。
「すごくおいしいです。紅茶とは思えない、まろやかな味をしています。渋みを苦手とする子供も、この紅茶なら喜びそうです」
「紅茶は渋みをなくすことで、飲みやすくしているみたいだよ」
渋みの原因となっている、カフェインは含まれていない。そのこともあって、柔らかい味を楽しめるようになっている。
最高級のお茶は、100グラムで50万ゴールドである。「セカンド牛+++++」よりは安いものの、破格の値段である。一般庶民には、手を出せない一品といえる。
「紅茶はどれくらいの金額なんですか?」
「100グラムで50万ゴールドだよ」
ココアは値段を知ったあと、がっくりと肩を落としていた。
「お茶とは思えない金額ですね・・・・・・」
100グラムの紅茶代が、1年の食事代に匹敵する。よほどのお金持ちでなければ、紅茶に手を出すことはないと思われる。
「紅茶はたくさんあるから、持って帰ってもいいよ」
「いいんですか?」
「うん。子供たちを喜ばせてあげて・・・・・・」
「ありがとうございます・・・・・・」
「ココアさん、お腹は空いているかな?」
時刻は12時を示している。昼ご飯を食べるのに、ちょうどいい時間だ。
「昼ご飯を食べていないので、お腹がペコペコです」
『「セカンド牛+++++」を、一緒に食べようよ』
ココアは衝撃が大きかったのか、目が飛び出しそうになっていた。
「最高級の肉を食べてもいいんですか?」
「うん。たくさんあるから、好きなだけ食べてよ」
大金を得たばかりということもあって、「セカンド牛+++++」を3キロ購入。おもてなし
をするには、充分な量がある。
「調理をするから、少しだけ待っていてね」
「ありがとうございます」
「セカンド牛+++++」を食べられるからか、ココアはテンションが上がっていた。最高級の食事というのは、人間の心を踊らせる効果があるようだ。