14 続・女神様のお話
『はあ、優しい方ね~。さすが女神様だわ。』うっとり
『本当だな。良かったな、サーヤ』うんうん
『きっとお姿も美しいんでしょうねぇ』うっとり
『お会いしてみたいよな』うんうん
二人ともすっかり優しい女神様のトリコになってしまったようです…でもなぁ
「う、うん。
聞きたい?
『『続けて!!』』ずずいっ!
「あ、あい」
お顔近いよ~
いいけどぉ。知らないよぉ?
じゃあ、続きねぇ…
〖でもね~?食事がねぇ~食材その物が美味しいからか、料理が発達してないのよねぇ〗はあっ
「は、はぁ」
あ、あれ?ため息?ため息つく姿もきれいだけど、なんだか、話が?
〖私ね、塩味しかないお料理はもう飽きちゃったの。だからね、新しい力を使って美味しいお料理をばんばん作ってくれると嬉しいわぁ。あなたも美味しい方がいいでしょう?〗
「はい?」
そりゃ、せっかくなら異世界の美味しい料理食べたいけど?それより、さっきまでのキリリとした雰囲気の女神様はどこへ?
〖それでいつか私においしい~お料理、食べさせてね♪あっ!特に甘いもの!地球では、えっとスイーツって言ったかしら?楽しみにしてるわね♪〗バチンっ
と、ウインク付きで要求されました。
「は、はい」
あれ~?おかしいなぁ?
『おいおい。なんかおかしな話になってきたな』
『というか、女神様って…』
フゥとクゥも、なんかおかしくなってきたぞ?って、思ってきたみたいです。
「
聞きたい?いいの?知らないよ~?
『あー、なんか聞くの怖くなってきたけど、頼むわ』
『そうね。続きをお願い』
うん。聞くんだね~?
「わかっちゃ。
ほんとに知らないよ~
女神様の話(願望)は続きます。
〖他にも娯楽とかないから、どんどん増やして欲しいわ。そしたらお忍びで遊びに行くのにぃ。スローライフって言うの?お庭でお花育てたり、お野菜育てたりもいいわよ~〗
「そうですね、それは楽しそうですね」
娯楽はよく分からないけど、畑はやりたいなぁ。採れたてのお野菜は最高だよね。しかもそれが自分たちで作ったものなら、尚のこと感動だしね。
〖羨ましいのは温泉よ!いいわよね~。せめてお風呂文化出来てくれないかしら~〗はあっ
「え。お風呂ないの?そんなぁ~」
お風呂大好き、日本人。お風呂無しは耐えられないかも…
〖ほんとよ。だからね?なんとか作って欲しいのよ~〗
と、くねくねしながら仰っています。
でも、たしかにお風呂は大切!どうにかしなくちゃ!
「お風呂は私も入りたいので、頑張ります!」
うん。お風呂は譲れません。出来れば温泉がいいな!
〖ふふ。頼もしいわ。是非お願いね♪それからね、あなた仲間欲しくない?欲しいでしょ?欲しいわよね? 〗
「は、はあ」
たしかに、一人は寂しいね。
だけど女神様、今までの中で一番必死?なんだろ?
『あ~なんか想像ついてきたなぁ』
『奇遇ね、わたしもよ…』
フゥとクゥの目線が同じところに向きます。
『『ぴゅきゅ?』』
うん。自分のしっぽ抱えてかじかじしてます。痛くないのかな?
『『それで?』』
やっぱり、続き聞く?それじゃあ、いくよ?
〖それでね、あなたにプレゼントがあるのよ!はい!〗
と、渡されたのが、ピンクと水色の小さい小さいドラゴンの赤ちゃんでした。
『あ~やっぱりかぁ』
『でしょうねぇ』
フゥとクゥが改めてドラゴンさんたちを見ます。その目は何となく遠くを見てるみたいです。
『『ぴゅきゅ?』』
あっ、今度はしっぽ抱えたままコロンコロンし始めました。起き上がりこぼし?
「
まだ聞きたい?
『『よろしく』』
こくっと頷くので、話を続けます。
〖実はね、その子たち、あるドラゴンが産んだばかりなんだけど、初産なのにドラゴンには滅多にない双子でね。しかも卵の時から珍しいその色だったのよ。それでね、その母親ドラゴンあろう事か育児放棄してね~可哀想だから見かねて私が保護したんだけど、ご覧の通り全然懐いてくれなくてね? 〗
ドラゴンの赤ちゃんは撫でようとした女神様の手に
『『ぴゅきゅ』』かぷっ
噛み付こうとしました。
「わわわっ」
慌てて抱き寄せて止めると、のどをゴロゴロ鳴らして体を擦り付けてきます。猫みたい…可愛い。
それを確認した女神様が
〖ほらね?あなたにはすごく懐いてる。お願いだからその二匹を引き取ってくれないかしら?今は小さいけどドラゴンだもの。きっとあなたの力になるわ〗
『『ぴゅきゅ~♪』』ごろごろ
体をすり寄せてくる赤ちゃんドラゴンたちは、とっても可愛くて、既に離れがたくなってたから、迷わず
「はい。わかりました!ありがとうございます!」
『『ぴゅきゅ♪』』
と、答えていました。赤ちゃんドラゴンたちをしっかり抱きしめて。
これが私と、双子の赤ちゃんドラゴンとの出会いでした。
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